1.第19回定期演奏会(03.03.16)

東京FM2003 第19回定期演奏会のチケット


日本の少年合唱団のコンサートに行くのはこれが初めてでした。

前売券もなく、何の情報もなく、会場に行けば入れるのか、全くわかりませんでした。父兄や関係者しか入れないなら帰ってこよう。どうせ日本人の合唱なんて大した事ないだろうと、みくびっていました。

90年代初めに、ウィーン少年合唱団や、パリ木の十字架少年合唱団の日本公演を鑑賞した事があり、少年合唱団といえば、白人少年のもの、と偏見がありました。ただ、美しい声だとは思いましたが、そんなに感動もせず、自然とコンサートから遠ざかっていました。


地下鉄大江戸線の勝どき駅をおりて、トリトンスクウェアにある第一生命ホールに着いたのは開演1時間30分前。1Fの案内所のお姉さんに勇気を出して当日券の有無を聞きましたが、主催者でないので判りません、とのつれないご返事。

ホール入口へ続くエスカレーターの前に列が出来ていたので「どうにでもなれ」という感じで並びました。1時間前に列が動き出し、エスカレータで上がったところ、当日券売場があり、あっけなく購入できました。3000円です。(ええっ高いじゃないかと、この時は思いましたが)

入場券をちぎり、パンフレットくれたのは、合唱団OBらしき中学生で、なかなか礼儀正しい爽やかな態度で、好感が持てました。まだ空いていたので、思い切って最前列の右端の方の席に着きましたが、開演の頃には、ほぼ満席。(左側はピアノが邪魔で見えないので、右側の方が正解でした。)

やがて開演のチャイムがなり、合唱団の少年達が登場し、何の前触れもなく、いきなり1曲目の「おお牧場はみどり」の合唱が始まりました。ガ〜ン!という感じでショック!

声量といい、声といい、素晴らしい合唱で、ウィーン少年合唱団なんて目でもない!とまで思いました(ここは素人なので許して下さい)。日本人ですから、お顔は、その辺にいるガキ、いや失礼!お子様なのに、どこからこんな美声が出てくるんだろうと、不思議でした。

全員が、緑のトレーナーに、黒の短い半ズボンという制服で、すらっと伸びた脚が、カクテル光線にまぶしい位に映えており、これも外国の合唱団にはない魅力です。

唱歌やポピュラーの部、東北のおもちゃうたと題した童謡風の作品集、そしてミュージカル仕立ての「A CICLE OF ELEMENTSと続きます。(このミュージカルでは、1人の子が派手に振付けを間違えて、思わず笑ったりした事もいい思い出です。)

最後は手を振りながらお別れの歌を唄って終了ですが、意外にあっさりと終りました。
ウィーン少年合唱団なんかは、拍手をしていると3回くらいアンコールに応えてくれたりするのに比べると、少し淡白かな。(肝心の合唱曲に関する感想が貧弱なのは、申し訳ありません。)

終演後も、すぐには帰りたくなく、余韻に浸っていたい思いで、ホールのホワイエをうろうろしていましたが、何も起こらないので、とぼとぼと帰ったのでした。
この日は、日本の少年合唱団の魅力に目覚めたメモリアルデイとなったのでした。3000円は決して高くありま せんでした。

TOKYO FM合唱団は、この後04年、06年と定期公演を鑑賞していますが、非常に残念なことに、だんだんと団員数が減っていくような感じで、寂しくなったように思います。
ミュージカル風の楽しい舞台もなくなり、更にこれは時代の流れかもしれませんが、制服の半ズボンも長くなって、やや残念です。(まあ、これはどうでもよいのですが。)

また、04年、06年のレポートも後日UPします。

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2.第20回定期演奏会(04.03.14)

東京FM2004 04年度の卒団生。(定期演奏会パンフレットから)


前年に引続き、同じ第一生命ホールで定期演奏会が開催され、また鑑賞しました。前年と同じ要領なので、今回は迷うことはありません。

開演1時間ほど前にホールへ行き、列に並んで当日券を購入し、なんなくホールへ入り、右側の最前列近くに席をとることができました。(やはり3000円と少しお高い入場券でした。)


第1ステージは「ぼくらのレパートリー」と題して、いつもの「おお牧場はみどり」で始まり、「汐の匂いのする町で」「つるつるとざらざら」「さかさま」と続きましたが、この3曲は初めて聴くものでした。

「翼をください」「ビリーブ」とやっと知っている曲になって安心し、最後は「世界に一つだけの花」と流行の歌で締め。(ジャニーズ系は好きではないのですが。)

第2ステージは「少年合唱のためのミサ曲」として7曲ですが、やはり覚醒状態を保つのが難しくなりそうでしたが、素晴らしいヒーリングタイムをすごすことができました。

最後の第3ステージは「おぺら・オペラ・OPERA」と題して「トスカ」と「アマールと夜の訪問者」から抜粋して演じられました。

全体的には満足できたのですが、前年に比べると感動が薄くなってしまった事は否めません。もう少しポピュラーな曲を入れてくれれば良かったと思うのですが、これは自分に音楽の素養がないためのワガママですね。

何といっても今年は、写真にあるように卒団生が大量に出た年で、少し先が心配になってしまいました。特にこのメンバーは映画の吹替えや、テレビCMにも顔を出したりと、花形の子もいたように聞いていますので、寂しさを感じたものです。

その後、05年は定期演奏会をパスし、06年にまた行きましたので、後日それもレビューします

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3.第22回定期演奏会(06.03.19)

東京FM2006 定期演奏会チケットと、会場で買ったTFM少年人形


1年置いて3回目の定期演奏会の鑑賞でした。

会場は、また第一生命ホールです。もうここが定期演奏会のホームグラウンドになったのでしょうか。

開演1時間前に行けば余裕で当日券を購入できて、割と好きな席に座れるので快適です。



開演前はホワイエでコーヒーを飲んでリラックスしますが、合唱団の父兄の方々がグッズを販売しており、TOKYO FM少年合唱団員の人形を購入しました。買うのにかなり迷いましたが。

少年合唱の老舗サイト「ボーイソプラノの館」の常連の方が、このTOKYO FM少年合唱団の人形を持っておられて、いつもコンサートに同伴されていると聞き、前から羨ましく思っていました。
ただ、その方の持たれている人形はもっと精巧で、本当の合唱団の少年の制服の生地を使ったような素晴らしいものですが、今回買ったのはかなり貧弱です。それでも大切にしています。

さてコンサートですが、オープニングは、定番の「おお牧場はみどり」と「ビリーブ」の2曲です。この合唱団は初めからエンジン全開なのが立派です。

第1部は、女声合唱のための唱歌メドレー「ふるさとの四季」という、ちょっと?のついた題でしたが、ちゃんと少年達だけの合唱で安心しました。
しかも歌われたのは、ふるさと、春の小川、朧月夜、鯉のぼり、茶摘、夏は来ぬ、我は海の子、村祭、紅葉、冬景色、雪、そしてもう一度ふるさと・・

誰でも知っている懐かしい唱歌で1年を歌ってくれました。これはお年寄りや子供も安心して鑑賞できて、合唱団を身近なものにするには最適だったと思います。

第2部は「ミサ ヘ長調」でしたが、これはよく判りませんので、ヒーリングタイムと割り切って、目を半分瞑ってリラックスしました。(決して眠る!なんて失礼な事はしておりません。)

休憩の後の第3部は、少年少女のための合唱組曲「くいしん坊の世界旅行」でした

第1部が四季を唄でめぐったのと同じように、今度は唄で世界をめぐります。日本、イタリア、フランス、ドイツ、イギリス、アメリカ、また日本でした。
アジア、アフリカはどうしたの?という突っ込みはナシにしておきましょう。

楽しかったコンサートもこれで終了。名残惜しみながらも家路へと急いだのでした。

07年は転勤などのゴタゴタがあって行く事ができませんでした。来年3月は行きたいと切望しているのですが、なぜか平日開催らしいです。(3月25日(火) 第一生命ホール 18:30開演)
行けないかもしれない。残念。

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4.第25回定期演奏会(09.03.21)

東京FM2009 2009年卒団生。(「天使のハーモニー」第49号より)


3年振りの定期演奏会の鑑賞でした。3年も開いたのは、東京から大阪へ転勤した(実家へ戻った)ことが大きな理由です。

東京FMの定期公演は毎年3月ですが、この季節は年度末で業務が重なるため、なかなか私用で東京までは出れません。


しかし今年は何とか行ってみたい。それは今年、東京FM伝説のミュージカル「11ぴきのネコ」を上演するとの話を聞いたからでした。会場はお馴染みの第一生命ホール(勝どき)です。開演1時間前に到着、当日券を買い、ホールのあるトリトンスクウェア飲食街で大急ぎで昼食を済ませました。

少年合唱ファンサイト「ボーイソプラノの館」館長(吉岡様)とお会いし、お隣の席に座らせて頂きました。このホールの収容人数は少ないので、遅く行くといい席が無いのですが、館長様はどのコンサートでも前列中央のベストポジションを確保されておりますので、本当に申し訳なく思っております。

さて開演後の第1ステージは「僕らのレパートリー」と題してポピュラーな曲ばかりを10曲連続です。おお牧場はみどり、花のまわりで、花、ふるさとの四季、トゥモロー、この星に生まれて、ビリーブ、Wolcum yole!、おおひばり、流浪の民

こういうポピュラーな曲で入りますので、聴いている方もすごく乗ってきます。最初からエンジン全開の迫力ある合唱が始まり、声量も音程もしっかりしているところは、流石にトップクラスの合唱団ですね。(地方の合唱団では、最初の数曲はパワーが入らず、物足りないケースが見受けられます。)
特に「ビリーブ」では手話も交えてダイナミックな舞台が印象に残りました。

第2ステージは組詩「あしたのうた」。じっくりと聴かせる4曲ですが、これもなかなか良かったですね。その後、休憩に入り、いよいよ第3ステージの「11ぴきのネコ」が始りました。

11ぴきの野良ネコが町を追い出されて、新しい世界を探しに行く、という単純なストーリーですが、お芝居、ダンス、そして合唱というミュージカルの楽しさを堪能することができました。特にネコに扮した団員達は、本当に可愛くみえました。

余談ですが、私の感覚では「犬=男の子」「猫=女の子」のような印象を持っていましたが、ネコ少年もなかなか似合いますね。そういえばNHK教育「にほんごであそぼ」では石原涼太郎君が「我輩は猫である」の黒ネコを、またBSフジの「モノコト駄菓子屋」(残念ながら放映終了)では黒猫に扮したハーフの美少年が印象的でした。

閑話休題、このミュージカルは9年前にも上演されたそうですが、その公演も見られた館長様の感想でも「今年の出来は良かった」と仰られていました。ただ合唱はレベルが高いのですが、ソロは9年前の方が良かったとのこと。いずれにしても日本でもトップクラスの少年合唱団の公演を見れて幸せでした。当日券3000円と少し高いかもしれませんが、そのモトは十分取れましたよ。

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5.第26回定期演奏会(10.03.14)

東京FM2010 2010年卒団生。(「天使のハーモニー」第50号より)


昨年に引き続き鑑賞。
通算ではもう5回目です。少年合唱団のコンサートでは、東京FMが最多。やはり東京ならではの華やかさに惹かれるものがあります。(ちょっと卑屈かもしれませんが、地方在住の私には、まぶしく見えるんですね。)


トリトンスクウェア 第一生命ホールのエントランス


今年は日曜の午後開催ですが、ちょっと贅沢して土・日と東京で2泊しました。月曜午前は仕事を休み、早朝に東京を出発、午後からは通常勤務。

大江戸線勝どき駅から橋を渡り、会場となる第一生命ホールのあるトリトンスクウェアへと歩きましたが、写真のように閑散としていました。日にちを間違えた?と不安がよぎりましたが、無事に当日券を買い、20分ほど列に並んで、入場できました。


さてコンサートですが、プログラムを見た時は、今年はちょっと・・地味?
昨年のようなミュージカルもなく、ゲストもなく、たった3ステージしかありません。正味1時間もないのでは、なんて失礼な事を思っていました。

また今回は、吉岡様(ボーイソプラノの館・館長様)も道楽様も来られておらず、1人での鑑賞でしたので、余計に寂しく感じたことも原因かもしれません。

でも間違いでした。昨年以上に素晴らしい感動を与えてくれました!
プログラムはシンプルですが、一曲一曲に魂をこめて合唱している姿は、何ともいえない感動となり、最後は少し涙まで出てきそうになったくらいです。

第1ステージは「ぼくらのレパートリー」と題して9曲。定番の「おお牧場はみどり」から始まって、「つるつるとざらざら」、「ちゃん。さん。くん。」、「手紙」、「もぐら」、「月火水木金土日のうた」、「翼をください」、「世界でひとつだけの花」、「ビリーブ」です。

題名だけでは知らない曲もありますが、どれも親しみ易いメロディで、9曲連続パンチは圧巻でした。マイクの関係なのか、ソロのパートが声量不足に聞こえるのが残念でしたが、合唱としての力強さは、本当に素晴らしいものでした。

メンバーが登場してきただけでオーラが違いますね。この合唱団は子供とはいえ、全員に強烈な「プロ意識」を感じます。他の合唱団では、必ず何人かは、モジモジ、キョロキョロと落ち着かず、何のためにメンバーにいるの?・・と思うような子がいるのですが、この合唱団は、低学年でもそんな子は皆無です。(メンバー不足に悩む合唱団では、能力や適性のない子でも拒めないのでしょうね。)

第2ステージは「思い出の合唱組曲」と題して6曲。「キリエ」、「わたしとことりとすずと」、「五百羅漢さん」、「緑のキップ」、「一千億の夢」、「流浪の民」です。このパートも親しみ易いメロディが続き、どの歌も素晴らしい出来でした。この中でちょっとウルッと来たのが「五百羅漢さん」という歌。

日曜日にみんなで五百羅漢を見に行った。いろんな羅漢さんがいる、「あっ!あれは○○くんのお父さんそっくり!」などとコミカルな歌詞が続きます。みんなで笑っているなか、「ぼくはお父さんを知らない。写真でしか見たことない」と急にマイナーへ変調していきます。「なぜ死んじゃったの」
羅漢さん、羅漢さん、羅漢さん・・・ぼく、お父さんに会いたいな

この歌詞は泣かせますね。戦後の頃の歌なんでしょうか。悲しい歌ですが、こんな歌をずっと後世に歌い継いで欲しいものです。

休憩をはさんで第3ステージは「出会い、集い、そして未来へ」と題して10曲。プッチーニ、マーラーなどクラシックの中から荘厳な合唱が続きます。このような曲でも決して飽きさせないのが、この合唱団の凄いところです。力強さに圧倒されました。

第一生命ホール 終演後のホールロビー

プログラムの終わりが近づいてくるのが残念で残念でたまりません。
最後の数曲では、少年合唱ではめずらしく、「ブラボーッ!!」の声があがりました。合唱団の関係者か父兄だと思いますが、非常に堂に入っており、これも東京ならではでしょうか。(声の感じは、ブラボーよりも、歌舞伎のかけ声でしたね。)

最後のお別れの歌が済み、ホールを出ましたが、団員が出口でお別れしてくれる事はありません。この辺りは地方の合唱団の方がサービス精神旺盛です。とはいえ、本当に満足して会場を後にしたのでした。


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6.第27回定期演奏会(11.04.30)

東京FM2011 2011年卒団生。(「天使のハーモニー」第51号より)


もう6回目の鑑賞。
本来は3月20日の予定でしたが、東日本大震災への配慮から延期になり、ゴールデンウィークでの開催となりました。

私にとっては、東京でゆっくり宿泊する事ができましたので、いい時期の開催だったと思います。しかし卒業する団員にとっては、小学生最後の思い出が、中学生にずれ込んでしまったので、戸惑いもあったかもしれません。特に、変声を迎える時期ですので、1ヶ月の遅れで声が出なくなってしまう事も。

東京FM2011 当日券の案内


前日から東京入り。当日の午前中は池袋で映画を鑑賞し、その足で都営地下鉄大江戸線の勝どきへ。会場となる第一生命ホールのあるトリトンスクウェアへは、動く歩道のある橋を渡るのですが、節電のため、閉鎖されています。こんなところにも震災の影響があるのですね。

12:40に到着。ホールへ上るエスカレーターの前に、右の写真のような看板が。当日券は13:30発売開始。十分時間があるので、飲食店街を歩いて昼食をとりました。少しリッチな中華料理店。毎年この飲食店街を利用していますが、いつも閑古鳥。休日だから? 大丈夫なんでしょうか。


無事に当日券を入手。支払う時「3000円は高いな」と思うのですが、帰る時はいつも満足感一杯になります。今年もそうでしたよ!

14:30開演。団員は全員、私服のシャツをズボンの外に出したラフなスタイルで登場。とはいえ、私服ながら全員スキッとしたストレートの細身のズボンを着用し、シャツは第1ボタンまでとめている子も多く、上品でした。(「ボーイソプラノの館」の館長様ならまだ不満かも。でもカーゴパンツとかダボパンみたいなのに比べれば、ずっと良かったと思います。)

■第1部 ぼくらのレパートリー

震災の影響で開催が遅れたとのアナウンスの後、団員の挨拶と歌の紹介(MC)。団歌ともいうべき、おお牧場はみどりは、初っ端にもかかわらずエンジン全開、フニクリ・フニクラ、線路は続くよどこまでも、エーデルワイスと続きます。

5曲目からは日本の歌となり、毬と殿様、汽車の歌3曲。ほぼ完璧と思える演奏でした。そして最後はビリーブ。これもこの合唱団では定番の曲であり、団員のMCで、指導者の先生から「この歌の出来で、今年の合唱団の状態が判る」と言われているそうです。

二人のソロパートも素晴らしく、手話の部分も全く問題なし。本当にあっという間に第1部は終了です。

■第2部 ぼくらの好きなアニメソング

続いて第2部ですが、普通の合唱ではなく、少しドラマ仕立てで進行。「おいみんな、どんなアニメが好きかい?」なんてセリフを使いながら、ミッキーマウスマーチ、右から2番目の星(ピーターパン)、ビビディバビディブーとディズニーから3曲。

4曲目以降はスタジオジブリのアニメソング。やさしさに包まれたなら、風の丘(魔女の宅急便)、君をのせて(天空の城ラピュタ)、そしてトトロメドレー。

さすがに、後半はちょっと疲れてきたのか、声量が落ちてくるシーンもありました。ジブリアニメは人気なのも判りますが、どちらかといえば女の子の歌というイメージがします。この辺りの選曲は再考してもよかったのでは。

■第3部 桜の背丈を追い越して

20分休憩の後、いよいよ最後のステージです。団員達は新しい制服に着替えて登場。明るいベージュ系でチェックの入ったベストにネクタイと黒の半ズボン(クウォーターパンツくらいの裾丈)。TOKYO FM少年合唱団のイメージとはやや違いますが、これはこれでOK。

卒業して中学生になった団員たちも同じ制服です。もう着る事はないのに、ちょっと勿体無いかな。トレードマークだったシンプルな緑のトレーナー(TFMとプリントされていた)でも良かったのに。

そんな事はおいといて、最後の曲ですが、TOKYO FM少年合唱団のために作られた新曲で、本日がその初演との事。花びらとびら、俺らの町の数え歌、転校生、命の意味、桜の背丈を追い越して、の5曲からなります。

この手の新曲というのは、どれもやたら長くて退屈なのが多い(ごめんなさい)という先入観があったのですが、見事に覆されました。時間があっさりと短すぎるくらい。少年達の成長をジュブナイル小説でも読むような感じで歌い上げていきます。

1箇所だけ注文。やっぱり一人称は、俺ではなく僕を使って欲しかった。これは大人のわがままかもしれません。

東京FM2011 終了後のホール前
■最後に

第3部終了後、そのまま卒団式が行われました。11人の6年生(既に中学生ですが)が一人一人名前を呼ばれ、団長先生から卒団証を授与。毎年思うのですが、これだけ大勢の団員が抜けたら来年はどうなるのかと。

でも、この合唱団に限り大丈夫なんだと思います。毎年毎年これだけのレベルを維持できるのは本当に素晴らしい。それも全員が同じレベル。特筆すべきは歌唱力だけではなくて、全員の目が真剣で、勝負を挑んでいるようにさえ見える点です。

本年は会場に少し空席があったようでした。震災など時期的な影響もあるのでしょう。海外の有名少年合唱団の追っかけをする女性達も、本当に一度でいいから、日本のトップ少年合唱団の歌を聴いてみて下さい。目からウロコか落ちること間違いなし。

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7.第28回定期演奏会(12.03.18)

東京FM2012 2012年卒団生。(「天使のハーモニー」第52号より)


今年もやってきました。
春はTOKYO FM少年合唱団と一緒に。

時おり小雨の残る、すっきりしない天気でしたが、新幹線に乗って東京へ。勝どき駅を上ってトリトンスクウェア内の第一生命ホールに到着。

まずは飲食街で昼食をとり、13:30から当日券発売(並ぶ人はいませんので、即買えます)。その後、開場まで待つのですが、年々、列に並ぶ人が少なくなっているような気がします。でもそこはTOKYO FM。最後は満席になり、安心しました。(そんなに大きくないホールですので、あまりに人気が出て、当日券が入手できなくなるのも困るのですが)

もう7回目の鑑賞ですので、気後れすることもなく最前列に座らせていただきました。ピアノの反対側なので、団員の表情がよく見え、息遣いまで聞こえてきそうです。

東京FM2012 「天使のハーモニー」第52号より
■第1部 ぼくらのレパートリー

いよいよ開幕。まず最初は、「おお牧場はみどり」、「お兄ちゃんずるい」、「手のひらを太陽に」、「世界にひとつだけの花」の4曲から。

いや、すごい、すごい、すごい。この迫力。これまでとは違うパワーに度肝を抜かれました。
終演後にある方(後ほど詳しく)が漏らしていたのですが、今年はボーイ・アルトの団員たちの厚みがすごいのです。この濃密なアルトボイスの波。

女声もそうですが、ソプラノ系の声は、音量があってもどこか軽く、身体の中を上へ突き抜けていくのですが、アルト系の重唱は、身体を持っていかれそうになります。(ちょっと不穏な表現で申し訳ありません) これこそ少年合唱にしか出せない味わいなのかもしれません。

引き続き、「こだまでしょうか」、「みんなをすきに」、「大漁」、「ほしとたんぽぽ」の4曲。そうです。震災後のCM自粛時に頻繁に流れていた金子みすゞさんの詩に、中田喜直氏が作曲した唱歌です。メロディはあまり聞いた事がなかったのですが、少年達の歌唱力は抜群で、なんとも言えない世界に引きずり込まれました。

そして第1部の最後は「翼をください」、「ビリーブ」の2曲。これも定番の曲ですが、パワー全開。もう、この1部だけで、3000円の料金の元が取れたように思います。(ケチくさい話ですみません)

■第2部 合唱組曲から

2部は童謡です。もちろん一筋縄でいくはずがありません。童謡を基に合唱組曲として編曲された「春をまつ二つの歌」、「しゃぼん玉」、「証城寺の狸囃子」、「桜の背丈を追い越して」の4曲。

春を待つ二つの歌とは「春よこい」と「どこかで春が」の2曲をうまくアレンジしたもの。童謡の「・・あ〜るきはじめた、みいちゃんが・・」の可愛いフレーズと、音楽的なフレーズが交差する、なんとも楽しい曲でした。しゃぼん玉もタヌキ囃子も同じ。

昨年の呉合唱団の時は、このアレンジが少年の歌声を妨げる方向になった(シンセサイザーの多用など)のに対し、TOKYO FMは少年達の声を最大限に生かしていました。
余談ですが、2012.2.5にテレビ朝日系の「題名のない音楽会」に出演し、童謡を歌ったそうですが、見逃しました。正統派だったのか、アレンジだったのか、どなたか教えて下さると有難いです。

最後の「桜の背丈・・」は昨年の定期演奏会で初演された組曲の最後の曲。また、昨年の感動がよみがえりましたよ。ここで休憩時間に。

■第3部 おぺら・オペラ・OPERA パート3

本日のメインイベント。TOKYO FM少年合唱団が数々出演してきたオペラの名場面の再現です。演目は「トスカ」、「魔笛」、「トゥーランドット」、「アマールと夜の訪問者」、「ラ・ボエーム」の5作品です。

誰でもタイトルを聞いたことくらいはある名作ばかり。しかも素人劇団の公演ではなく、鑑賞料金1万円も2万円もするプロの舞台です。当然、全員が出演できるものではなく、選ばれた団員しかお声がかからないのでしょう(出られない団員は寂しい)。しかし今日は団員全員が楽しく出演です。大人のバリトン、テノール、ソプラノの歌手を従えて。

全部書くと大変なので、印象に残った3作品だけ。まずは魔笛。3人の童子役はハイライトです。でも3人しか出られないのです。それを全員で合唱。日本では今でも女性が演じる事が多いようですが、素人劇団はともかく、国を代表するような舞台で、たった3人の少年歌手すら立てられないのは、情けない事だと思います。

次はアマールと夜の訪問者。これはアマール少年が主役。つまりボーイソプラノがメインのオペラです。しかし主役過ぎて?荷が重過ぎるためか、やはり女性が演じる事が大半のようです。
でも今回、アマール役の少年と母親役の女性歌手。ボーイソプラノとソプラノの二重唱を初めて聞きました。鳥肌が立つほど心に響きました。

もう一つはラ・ボエーム。これは新国立劇場で1ヶ月前まで上演していたようです。やはり全員がお揃いのマフラーをしめ、上下黒のイキな衣装で登場。みんなカッコいい!
最後の団員の挨拶。「これからもオペラにどんどん出演したいです。男の子でも女の子でも」
女の子?一瞬、意味が判らなかったのですが、女の子役でもやりますよ!ということでしょうか。

■エンディング

いつも楽しい時間はあっという間に過ぎ去ります。恒例の卒団生の紹介と、卒団生から先生への花束贈呈。そしてエンディング曲は「気球に乗ってどこまでも」と「今日の日はさようなら」。いいオッサンのくせに、最近は涙腺が緩んできて、涙が出そうになりますが、ここは唇をかみしめて、ぐっとこらえます。

東京FM2012 「題名のない音楽会」2011.12月より

ブラボー!の声が、そこかしこで上るなか終演。いや、本当に良かった。今日の定期演奏会は99点。1点減点はなに?

MC(団員達による司会・曲紹介)に緊張感がなかったこと。ほぼ全員がトチるか、噛みました。プロ意識の強いTOKYO FMにしては珍しいこと。

最近、テレビや大舞台に出過ぎていて、定期演奏会ごときには緊張感がなかったのでしょうか。それではいけませんよ、ここは反省して下さいね。

■その後など

お世話になっている少年合唱サイト「ボーイソプラノの館」館長の吉岡様の姿を探したのですが、やはり来ておられないようです(体調不良という話もお聞きしましたので心配です)。しかし吉岡様のサイトの論客として寄稿されている道楽様(ペンネーム)とお会いし、飲みに連れて行って下さることになりました。

東京生れ、東京育ちの道楽様にご案内いただいたのは、とある超高級ホテルのバー。色々と本日の演奏会を含めて少年合唱への思い入れをお聞きし、楽しい時間を過ごさせて戴きました。本当に有難うございました。

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8.第29回定期演奏会(13.03.20)

東京FM2013 2013年卒団生。たった2名。(「天使のハーモニー」第53号より)


3月の楽しみは、TOKYO FM少年合唱団の定期演奏会。もうこれは、欠かせない年中行事になってしまいました。

今年は、わざわざ北海道からノースエンド先生がやって来られます。私のサイトに寄稿いただいている先生で、札幌の有名合唱団OBでもあり、音楽にも厳しい先生です。

私が常々、「TOKYO FMは日本トップクラス」などと吹聴していましたので、ノースエンド先生が「一度、生演奏を聴きたい」とのことでしたが・・・正直、ちょっと心配でした。

なにせ小学生。毎年メンバーが変る訳ですから、今年は大幅にレベルダウンしていたらどうしよう?
その気分を助長するように、パンフレットと一緒に貰った「天使のハーモニー」には、今年の卒団生が2名だけ。つまり今年のメンバーには、6年生が2名しかいない。小学生年代の1年の差は大きいと思いますので、これは、ちょっと歌唱力に不安が。

そんな心配は杞憂でした!(杞憂 → 小学生の皆さんは辞書で調べて下さいね)
今年も素晴らしい出来でした。今でも合唱の余韻が耳に残っています。ノースエンド先生の前で、面目を保つことができました。私は、TOKYO FMとは全く関係のない他人ですので、そこまで責任?を感じる必要はないのですが、やはり良かった。良かった。

■第1部 ぼくらのレパートリー

さて、そんなことはおいといて、早速、演奏会のレビューです。
まず1部は、定番の「おお牧場はみどり」、「春の嵐」、「どじょっこふなっこ」、「砂山」、「ほたるこい」、「世界がひとつになるまで」、「世界に一つだけの花」、「ビリーブ」の8曲。

東京FM2013

8曲とも、オーソドックスな合唱ですが、声量は十分、ハーモニーも素晴らしい。

最後の「ビリーブ」では、2組のソリ(1人で歌うのがソロ。2人以上の場合はソリ。ボーイソプラノの館の吉岡様に教えて頂きました)
マイクの関係なのか、やや声量不足にも思いましたが、透き通った声は素晴らしい。

しかし8曲連続は少し疲れます。恒例の団員によるMCも、冒頭で8曲分全部をアナウンスしてしまいましたが、4曲ずつ分けて、少しインターバルを置いた方が、良かったかもしれません。

■第2部 同声合唱組曲「ぼくだけの歌」

第2部は、本科生だけによる合唱組曲で、「あいつ」、「ぼくのおうえんか」、「なにかいいことありそうな」、「一千億の夢」の4曲。

東京FM2013 「天使のハーモニー」第53号より

この合唱組曲は、TOKYO FM少年合唱団のために書かれた曲である、との紹介がありました(少し自信なし)。他の合唱団でもよく歌われているようです。非常に親しみやすい曲である上に、歌詞が判りやすく、バンバンと心の中に入ってきます。

がんばれ、がんばれ、ボク! ヘイッ!
今でも、本当に耳に残っております。もう、いい歳ですが、仕事で詰まっているだけに、他人ごとではありません。


NHKの「みんなの歌」あたりで、こんな曲をやって欲しいものです。最近は教育テレビでも、この手の真面目な歌は、うけないので、やらないのでしょうか。ポップス系の曲もいいけれど、こんな歌も心に響きますよ。大人には。(最近、みんなの歌を見たことがないので、トンチンカンでしたら申し訳ありません)

■第3部 唱歌メドレー「ふるさとの四季」

20分の休憩をはさんで、いよいよ最後です。「故郷」、「春の小川」、「朧月夜」、「鯉のぼり」、「茶摘」、「夏は来ぬ」、「われは海の子」、「村祭」、「紅葉」、「冬景色」、「雪」、「故郷」も12曲をメドレーで。

第1部と重なる選曲ですので、少しマンネリかな、とも思いましたが、素晴らしい合唱でした。誰でも知っている唱歌だけに、飽きることなく、あっと言う間に終ってしまいました。ええ、これで終りなの? もっと聴きたい。

何といっても最後の「故郷」の前半。ピアノ伴奏なしのアカペラでの合唱。
このハーモニーがすごいっ! 11歳以下の子供たち、しかも全員少年、それで、こんな完璧なハーモニーが出せるのでしょうか。

いや、ピアノ伴奏の先生には、申し訳ありませんが、このハーモニーを聴くためには、ピアノは邪魔だとさえ、思いました。来年はアカペラの合唱がもう2、3曲あってもいいのではと思います。

■さいごに

これでプログラムは終了ですが、恒例の卒団生紹介。卒団生が指揮者や伴奏の先生に花束を贈ります。普通なら「卒団生が花束を貰う」ような気がしますが、そうじゃないのが、FMのいいところ。これまで指導してくれて、無事卒団させてくれた先生へ、御礼するのです。「我が師の恩」ですね。

そしてOBも登壇して、特別に「花は咲く」の合唱。この歌は、今や卒業式の定番ソングの一つになっているようです。OBのテノール系の声が入り、さらに深みが増した、素晴らしい合唱でした。

さらに、そのまま続けて「気球に乗ってどこまでも」
これも毎回、定期演奏会の最後から2番目の曲。半身になり、手を上げて拍手するポーズは、ちょっと生意気だけどもカッコいいですね。そしてオールラストは、「今日の日はさようなら」

もう、かなり前から、ご父兄と思われる方々は、ハンカチで目をぬぐっておられますが、いよいよ感極まってくる瞬間のようです。私の両隣、ボーイソプラノの館・吉岡様と、ノースエンド先生は、大きな声で「信んじあう、よろこ〜びを、た〜いせつにしよう〜」と歌っておられます。私も小さな声でお相伴。

そしてフィナーレ。昔は、全員、手を振ってくれていたのですが、最近はありません。父兄と思われる方々が、立ち上がって拍手をするのですが、この現象は今年が初めて。

※後日談
実は、このステージを最後に、ずっと合唱団を指導されてこられた、太刀川先生(指揮者)が引退されるとの事でした。それで感謝の意を込めて、ご父兄の方々がスタンディング・オベーション。
それが判りませんでしたので、舞台も見えなくなり、少し違和感を感じてしまいました。せっかくならば、卒団生の紹介と同時に、先生の引退も発表されれば、良かったのに。
しかし、それをされない事が、先生の素晴らしさかもしれません。あくまでも主役は合唱団員たち。指導者が前に出てはいけない、と考えられたのでしょうか。ここまでの合唱団を育てられた事、本当にご苦労様でした。

東京FM2013 「天使のハーモニー」第53号より
歌劇「ラ・ボエーム」出演


TOKYO FMは、終演後にロビーで、聴衆をお見送りするという習慣は無いようです。残念ですけれども、これをやれば、ロビーが混雑して、不測の事態になっても困りますので、仕方ありません。

来年は30回記念。久し振りに、右の写真のような、オペラか音楽劇を見たいものです。今から来年が本当に楽しみです。

団員の皆様、OB、指導者の皆様、素晴らしい演奏を本当に有難うございました。


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9.第30回定期演奏会(14.03.22) 大ショック!


第30回の記念すべき定期演奏会でしたし、本当に楽しみにして大阪を出発し、開場2時間前にはトリトン・スクウェアに到着。昼食をとって「ボーイソプラノの館」の館長様と一緒に列に並びました。その時、信じられない言葉が聞こえました。「本日は当日券の発売はありません」まさか!

これまで10年以上、ここで当日券を入手していたので、今年も疑うことなく、この場にいるのです。とりあえず1枚くらいはお願いしようと、窓口へ行きましたが「事前予約者のみで、当日券はありません」と事務的な口調で告げられました。

「大阪から来ましたので、立ち席でも構いませんので、何とかお願いできないでしょうか」と必死に頼みましたが、全く取りつく島がありません。一緒にいた館長先生も口添えしてくれましたが、無理でした。残念ですが、あきらめるしかりません。あ〜あ、涙の門前払い・・

事前予約をしていなかった私の大失態でした。過去が大丈夫だったから、というのは甘えでした。ちなみに本コンサートを鑑賞された「ボーイソプラノの館」館長様からは、当日の演奏は素晴らしかったこと、御来賓として高貴な方がお見えになられていたこと、などをお聞きしました。セキュリティ上もあり、身元不明者は入場させてくれなかったのかもしれません。

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10.第31回定期演奏会(15.03.22)

東京FM2015 2015年卒団生は18名。(「天使のハーモニー」第55号より)


前年2014年は東京まで行きながら、当日券販売がなく、泣く泣く大阪まで帰りましたので、今年は同じ轍を踏まないように、事前にチケットを予約しました。

予約時に、以前から気になっていた「20年の歩み TOKYO FM少年合唱団」という豪華本も一緒に購入させて頂きました。少しお高いのですが、内容には満足しています。

今年はノースエンド先生が北海道から、また先生の知人で、映画blogを運営する好青年と、計3名で鑑賞。

(補足)ノースエンド先生は、HP「ノースエンド先生の部屋」で少年映画レビューを執筆。また札幌の有名合唱団OBで、今も合唱活動をされている合唱の専門家でもあります。

今年のテーマは、これまでTOKYO FM少年合唱団が委嘱した曲(TOKYO FM少年合唱団のために作られた曲)をふりかえって、代表的な作品が演奏されるとの事で、かなり楽しみにしていました。

■第1部 ぼくらのレパートリー

かなりの時間並び、開場と共に入場しましたが、あっという間に満席に。今年は関係者席が多く設定されていましたので、前列には座れませんでしたが、中央後方の音響的にはちょうどいい席に。やがて開演。大勢の団員が登場。少人数の地方少年合唱団を見慣れているせいか、非常に豪華に思います。

1曲目が団歌ともいえる「おお牧場はみどり」で、久し振りにボーイソプラノの歌声の波動に身体が飛ばされそうになるような衝撃を感じました。その後「つるつるとざらざら」、「ごめんごめんの歌」の2曲で、これもパワー全開です。2曲とも以前聴いた時よりも出来は良かったように思います。

次に「ムササビ」、「モグラ」の2曲。これは1986年に委嘱初演の合唱組曲「ZOO!ZOO!ZOO!」の中の歌との事で、第1部最後は「まっしろい平野」でした。どの曲もダイナミックな振り付けがあり、ビジュアル的にも楽しく見る事が出来ました。

■第2部 「僕の詩が歌声に」

第2部は、2007年委嘱初演の「僕の詩が歌声に」から、「思うこと」、「大切なトモダチ」、「ランドセル」、「きょうりゅう」、「かえりみち」の5曲です。このうち最後の「かえりみち」は、今年2015年のこの定期演奏会が初演とのお披露目がありました。

これらの曲の歌詞は、団員など子供たちが作ったもので、小学生男子のリアルな気持ちがよく表れているものと思います。(もちろん、大人が手を入れている部分や、あるいは子供がホンネではなく、大人受けするヨソイキの言葉で書いた部分もあるかもしれませんけれど)

■第3部 「はらっぱのうた」、「ぼくだけの歌」

いよいよ最後の部です。前半は1984年に、TOKYO FM少年合唱団の前身であるビクター少年合唱隊が初演したもので、「いこうや」「かごぬけごっこ」「さわいであそぼっ」「こわいゆめ」「ここでは」「そらをめがけて」「きみなんてん らくだいてん」の7曲です。

タイトルが全て「ひらがな」ですが、まさにそのイメージの曲なんです(どう表現したらいいのか判らないのですが)。私は、初めて聴く曲ですが、ちっとも退屈することなく、舞台を楽しめました。とにかく振り付けもあってダイナミックなのです。

いよいよ最後は1995年初演の「ぼくだけの歌」から、「ぼくのおうえんか」「一千億の夢」の2曲です。この2曲は、他の合唱団でも歌われている曲ですが、ある意味、TOKYO FM少年合唱団のテーマというか、ポリシーみたいなものだと思っています。

今日の定期演奏会、団員たちはスタートから全力疾走で駆けてきたようなパワーでしたが、最後のステージでも衰えるどころか、合唱のパワー炸裂で最後を締めてくれました。一千億の夢の「・・歩き続けて、走り続けて、夢を捨ててしまわないように・・」のフレーズがずっと耳に残って止みません。

東京FM2015 「天使のハーモニー」第55号より
■さいごに

今年は6年生が多く(小学生に言うのも変ですが)円熟した合唱に加え、オペラのソロや、ディズニーアニメの声優に抜擢されるようなエース級の団員も何人かいます。

本当に、日本を代表する少年合唱団として完成度の高い舞台であり、来られた観客の皆様の大半は大満足して帰られたのではと思います。

今日の演奏会では、第一生命ホールでは狭すぎたかな。今日の出来ならば、岡山シンフォニーホールや京都コンサートホールでも、会場の広さに負けることは無かったように思います。

(ひょっとしたら間違いかもしれませんが)会場には岡山の桃太郎少年合唱団の指導者様と思われる方も来ておられ、今日の出来を見て、是非とも来年の桃太郎の定期演奏会の参考にしていただければ、日本の少年合唱団が活発になっていくのではと思います。本当に素晴しい演奏会でした。


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