1.第6回全国少年合唱大会(07.02.11)

全国少年合唱大会 第6回全国少年合唱大会のプログラムから


京都市少年合唱団の演奏を初めて聴いたのは、岡山で開催された全国少年合唱大会でした。

この時、桃太郎少年合唱団(岡山)、広島少年合唱隊(広島)、呉少年合唱団(呉)、京都市少年合唱団(京都)、栃木少年合唱団(栃木)の5団体が出場予定でしたが、当日になり栃木少年合唱団がキャンセル。4団体という寂しい大会になりました。
その後、栃木少年合唱団は解散してしまいました。本当に残念です。

このレビューを書いているのは2014年1月。7年前の演奏会ですので、どんな合唱だったか全く記憶に残っておらず、詳細なレビューを書くことはできません。申し訳ありません。

ただ印象に残っているのは、4団体の中で、もっとも上品な合唱だったということです。おっとりとした、お坊ちゃまの集団というイメージです。

逆にいえば、広島や呉のパワフルな合唱に比べると、声量も迫力も頼りない感じ。この印象がずっと尾を引いてしまい、それ以降、せっかく地元にあるのに、鑑賞する気になれなかったのです。

今から考えると、せっかく男子メンバーだけを揃えて岡山まで遠征してくれたのですから、もっと真剣に鑑賞すればよかったと反省しています。

なお、全国少年合唱大会は、2007年の第6回以降中断されたままです。実は第7回は、京都市少年合唱団がホストになって、京都で開催する予定だったそうです。合唱団の担当の方が急逝されたため、その開催が反故になってしまい、以降は立ち消え状態とのこと。(ボーイソプラノの館の吉岡様より)

何とか、第7回を京都で開催してくれる訳にはいかないのでしょうか。是非お願いいたします。

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2.第54回修了演奏会(14.01.05)

第54回修了演奏会 プログラム表紙


実質、今回が初めてのコンサート鑑賞です。
上にも書きましたが、少年少女合唱団との認識でしたので、あまり関心を持っておりませんでした。ところが意外なところから背中を押されて、今回を足を運ぶことに。それは札幌から。

本サイト客員のノースエンド先生の知人に、本合唱団関係者の方がおられ、先生を通して、ぜひ一度コンサートを鑑賞して下さいとの話がありました。

実は、京都は私の青春時代を過ごした第2の故郷なんです。苦しい予備校時代から京都に下宿し、その後の希望にあふれた学生時代を謳歌したのです。本当は京都で就職し、京都市民になりたかったのでした。

そんなことを考えながら、府立植物園近くの京都コンサートホールへ。この辺りもお洒落な街になりました。貧乏学生だった私は自転車で京都中をうろつきましたが、こんなハイソなホールに来たことはありません。近くの松ヶ崎の外れに住んでいたこともあるのですが。(雀荘、パチンコ店、ラーメン屋、音楽喫茶なら、まかしといて・・)

■ウェルカム・コンサート(ロビーにて)

そんな感傷に浸りながら会場へ。何とこんな立派なホールでの演奏会なのに無料です!京都にくると、今でもこんな貧乏性に・・。でも無料には感激です。ここでボーイソプラノの館の吉岡様と道楽様にお会いし、ロビーで立話をしていると、いきなりピアノの音が。

「怪獣のバラード」、「ふるさと」、「あの鐘を鳴らすのはあなた」の3曲。歌っているのはOB会合唱団。1曲目は若手主体。2曲目のふるさと(例によって唱歌ではなく「嵐」のうた)からはシニアの方も参加。

6割以上が男性でしたので、この時点では、この合唱団は男性優位なのかな、なんて思っていました。前列中央に、まだソプラノ?の中学生のようなOBが、一生懸命に歌っているのが印象に残りました。(吉岡様から、OBは全員高校生以上ですよ、と指摘されましたので、高校生なんでしょう)

1番気に入ったのは「あの鐘を鳴らすのはあなた」。和田アキコさんの名曲も、合唱にすると上品に聞こえるのが不思議です。

■1.全員合唱

今回、吉岡様は招待者席でしたので、私は一人で自由に前の方へ。ピアノ様が真ん中にありましたので、左側(ソプラノパート)の最前列に着席(これが後で失敗)

いよいよ開演。総勢210名強が入場すると、それはそれは壮観です。このホールは舞台後方にも客席のあるコンサート専用ホール(サントリーホールやザ・シンフォニーホールと同じ)。舞台のひな壇だけでなく、後方席やバルコニー?にも団員が並び、まるでヨーロッパの教会のような立体的な配置に感激。

「ともだち」と「ジョイフルジョイフル」の2曲を全員で合唱。2曲目はベートーベンの第9をゴスペル風にアレンジしたもので、振り付けもあって楽しい曲でした。

私の座った席は、右の低音パートは見えませんが、小学生主体のソプラノパートはよく見えます。男子はやはり少ないものの、よく目立つ位置に立っていましたので、この座席は大正解でした。

京都の少年は、やっぱり大人しくて、お坊ちゃま風の子が多いように思いました。どうでもいいことですが、ルックスのいい子も多いような。歌の方はよく聞こえませんでしたが。

■2.京桜(女子パート)

全員合唱が終了すると照明が落とされ、舞台の模様替えが始まりました。なんと中央にあったピアノ様が、舞台の左端に移動されてしまい、私の視界はピアノしか見えない状況に。

そんな中で「いつも何度でも」、「嵐の丘」、「世界の約束」の3曲が演奏。女子は京桜、都紅葉の2グループに分かれていますが、どういう基準で分けられているのかは判りません。

女子らしい優しい合唱でしたが、いかんせん、ピアノの下から、団員の膝から下しか見えないので、今一つ合唱に集中できませんでした。

■3.みやこ光(男子パート)

いよいよ私にとってのメインイベントなのですが、この座席のままではいけません。何とか中央側の席か、2階席へ移動しようと焦ったのですが、すぐに演奏が始まりましたのでマナー違反は出来ず、泣く泣くその席で鑑賞を続行。(間に休憩時間でもあるならば移動できたのに・・)

第54回修了演奏会 パンフレットから練習の様子

「Ave Maria」、「くしゃみザウルス」、「スキンブルシャンクス」の3曲。さて登場した男子メンバーですが、あれれ、こんなに人数が少ないのか、と失望を隠せません。やがてアカペラでのAve Mariaが始まりましたが、声も細いなあ。

と思っていると、少し遅れて別の男子グループが、手に灯りを持って登場してきました。全員揃うと、先ほどの京桜の2/3くらいの人数になり、なんとか形になりましたので、ほっと安心。

第54回修了演奏会 同じく練習の様子


2曲目のくしゃみザウルスは、恐竜の模型?を組立ながら合唱するという趣向を凝らしたもので、楽しそうに見えました。

3曲目はミュージカル「キャッツ」の中の歌で、何度か聞いたことがありますが、ボーイソプラノでの合唱は初めてです。この3曲目がベストでした。少年合唱らしい声の張りが耳に残ります。

相変わらず、ピアノ様のおかげで団員の顔は全く見えません。見えるのは足元だけ。

その足元に、透明ビニール傘が何本か置いてありました。きっと3曲目にこれを使ってダンスでもするのだろうと思っていましたが、結果的に殆ど見えず、哀しい気分です。

すぐ目の前がピアノですので、これが牛田智大君のピアノリサイタルなら超特等席ですね。でもピアノを間近で聴くと、その音の大きさに圧倒されます。合唱が聞こえないくらい。

■休憩・ロビーコンサート

皮肉なことに、男子部が終ったあと休憩時間です。もう席を変る気力もなく、トイレ休憩へ行くと、ロビーでまた合唱が行われています。「虹」、「旅立ちの歌」の2曲。歌うのは、本日の主役である修了生の中学3年生の男女。揃いの白いフレザーを着て、素晴らしい歌声を聴かせてくれました。

■4.都紅葉(女子パート)

もう1グループの女子グループにより、「思い出をつづる歌」、「リフレイン」、「祝い唄三つ」の3曲が演奏されました。人数が多いせいなのか、京桜よりもパワフルな合唱でした。

■5.修了生とテナー・バス

本日のメインである修了生(中学3年生)に変声後の男子団員を加えて、「故郷」、「紅葉」、「海よ」、「あなたへ〜旅立ちに寄せるメッセージ」の4曲が演奏されました。

混声合唱ですので、奥の深い、本当に素晴らしい合唱でした。修了生だけをみると女子が8割以上のような感じですが、結構男声も頑張っていました。

女子は、もう始めから感動いっぱいで、涙を浮かべている団員もたくさんいます。それに比べると男子は無感動に見えます。(あくまで見えるだけ。実は感動していたのだと思います)

お詫び:このステージに登場したテナー・バスのメンバーにOBも含まれると書きましたが、変声した男子部員(中学2年生以下)だけとの指摘を戴きました。舞台に上ったメンバーの顔を見ればOBかどうかすぐ判ったはずですが、座席のせいで、顔が見えなかったので、勘違いしました。申し訳ありません。

■6.全員合唱

また最初と同じ全員合唱。ピアノ様が再び舞台中央へ出発されましたので、視界が開けました。やっと息が出来るようになり、「ほしめぐりの歌」、「雨ニモマケズ」の2曲。1曲目は宮沢賢治作曲のものではなく、別の方が作曲されたものですが、賢治の世界を十分に感じることができました。

2曲目も初めて聴く曲ですが、これもすぐに曲の世界へ入っていくことができました。本当によく練習されて、素晴らしいハーモニーを聴かせてくれました。大満足。

■フィナーレ

2曲が終り、プログラム掲載の曲は終了。ここからが感動の舞台なのですが、なんと、またまたピアノ様が私の目の前に戻ってきました。もう戻って来なくていいのに。

先生の挨拶、そして修了生代表の2名の女子が前へ出てきて挨拶。これまで何年間も頑張ってきた思い出がよみがえったのでしょうか、涙、涙の挨拶ですが、宝塚歌劇団の生徒ようなキリっと素晴らしいスピーチでした。ここでも男子の存在感は全くありません。

最後は、修了生全員が一列になって、舞台の最前列へ(落ちそうなほどギリギリ前へ)並びます。私の目のすぐ前にも涙でぬれた顔の女子部員が。目が合いそうで思わずドキドキしてしまいそうでした。

そのまま並んで、最後にもう1曲。曲名は判りませんが、AKB風のダンスになってしまいました。宝塚風の方が好みなのですが、これも青春。まあいいじゃないですか。

第54回修了演奏会 ロビーでお見送りする修了生
■最後に

今回はピアノの位置に翻弄されてしまいました。次回はピアノの影響を受けない2階席くらいにしようと思います。

また修了演奏会ですので、主役は中学3年生。ボーイソプラノを聴くのならば、夏の定期演奏会の方がいいかもしれません。

男子部みやこ光の実力は、こんなものではないと思います。昨年の修了演奏会CDをノースエンド先生からお借りして聴いた「チコタン」は素晴らしいものでした。今回は私に邪念が入ってしまい、もう一つしっかり聴けなかったので、今年の夏は絶対に行こうと決心しています。

なにかピアノの話ばかり書きましたが忘れて下さい。コンサート自体は本当に素晴らしいものでした。大満足で帰ってきました。関係者の皆様、本当に有難うございました。

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3.第65回定期演奏会(14.09.07)

第65回定期演奏会1プログラム表紙


本格的な定期演奏会としては、初めての鑑賞です。前回鑑賞した修了演奏会は、卒業する中学3年生がメインの演奏会でしたが、今回は合唱団全体としての発表会、どんな合唱を聞かせてくれるのか、本当に楽しみでした。

京都コンサートホールは、ピアノの置き場所に翻弄されるため、今回は右側の3階バルコニー席で、かなり見下ろす形ですが、ピアノに関係なく舞台を見ることができました。

ただ右側のバルコニー席ですので、バルコニーが邪魔になり足下のアルトやテノールなどの低音パートの団員の姿がよく見えません。それでも中央から左側に位置するソプラノパートの団員はよく見えます。


■全員合唱

まず、音楽総監督の加藤先生のご挨拶。「単に歌のテクニックではなく、感動を伝えること」が本演奏会の課題にしているとのこと。その後、全員合唱で、「ホルディリディア」、「キラキラ星」、「時の彼方へ」の3曲。前回の修了演奏会のような立体的な団員の配置ではなく、オーソドックスなスタイル。それでも、どれも本当に力強い合唱でした。

■新団員

今年4月に入団した新人47名によるコンサート。男女混合で、「風と光と歌と」、「あしたてんきになあれ」、「夏の日がちいさかったよ」、「青空に絵をかこう」、「よろこびの歌」の5曲が演奏されました。最初の4曲は組曲の一部です。やはり新人ということで、少しおとなしいというか、ややパンチ力に欠ける部分もありましたが、素直な合唱は好感が持てます。

第65回定期演奏会2プログラムより練習風景
■みやこ光

いよいよ私にとって本日のメイン・イベント。男子部「みやこ光」の登場です。小学生と中学生と併せても、先ほどの新人よりも少ない人数ですが、それでも40名近くいます。「混声合唱とピアノのための新しい歌」という組曲より、「新しい歌」、「きみ歌えよ」、「一詩人の最後の歌」の3曲。

第一印象としては悪くありません。完全に混声合唱で、変声後のテノールパートが引っ張っていく形です。ボーイソプラノは、いいアクセントとして合唱にマッチしています。しかしボーイソプラノが主役になり切れていない感じでした。

全体に歌詞がよく聞き取れず、3曲のメリハリがもう一つという感じのまま、あっと言う間に合唱終了。「ええ、もう終りなの」という気分ですが、拍手を送りました。

このコンサートで、少年合唱を初めて聞いた方がいたとして、少年合唱についてどう思われたでしょうか。そこそこのレベルはあるけれど、感動を与えるところまでいったでしょうか。選曲、団員の表情、やる気、ちょっと厳しいなあ・・

■京桜(みやこざくら)

続いて、女子チームである京桜のメンバーが登場。舞台の端から端まで埋めつくす人数に圧倒されながら、「Vocalise」、「さとうきび畑」、「世界に一つだけの花」の3曲の演奏です。

1曲目の「Vocalise」は、女声特有の金属的な発声を短く、鋭く、繰り返します(黒板やガラスを爪で引っ掻くような金属声は、やや苦手です)。圧巻は、2曲目と3曲目。二つとも有名でよく知っているポピュラーソング。ダンスや分列行進も含みながら、素晴らしい声量での合唱で、これには本当に参りました。

団員全員にやる気がみなぎっており、その熱気や感動がダイレクトに観客に伝わってきます。音楽総監督が言われていたのはコレだったんだなあ。これに対する観客の拍手も、凄いものでした。しばらく鳴り止みません。

男子部「みやこ光」の3倍くらい、いやもっとあったかもしれません。

■都紅葉(みやこもみじ)

京桜の後、休憩があり、ホールでOB会のロビーコンサートがあったのですが、京桜に圧倒されて、何もする気がおきず、席で休んでおりました。やがて2部が始まり、もう一つの女子チーム都紅葉の登場です。

やはり女声合唱組曲の中から「あの感じ」、「負けるな」、「いのちのうた」の3曲。男子部みやこ光と同じく、全く知らない歌ですので、歌詞がはっきり聞き取れないと、なかなか入っていく事が出来ません。しかし女子チームは人数が多い上に、個人のレベルも高いので、男子部よりは歌詞がしっかり聞き取れます。

京桜ほどではありませんが、十分に感動的な合唱でした。(京桜は選曲がずるいといえば、ずるいかもしれません。ポピュラーソングですので・・)

■全員合唱

最後は、最初の体型に戻って全員合唱で、「永久に」、「星の降る丘」、「宇宙のもの」の3曲。女子1チームだけでも凄いパワーなのに、全員が揃うと、本当に会場全体に声が響き渡ります。修了演奏会のような涙はありませんが、皆さん、全力を尽くした達成感で素晴らしい顔をしています。

第65回定期演奏会3終演後、ロビーにて
■さいごに

コンサートとしては、本当素晴らしいものでした。でも少年合唱ファンとしては、正直言ってショックを受けました。少女たちの方が、合唱のレベルが数段上だったこと。合唱だけでなく、感動の伝え方、やる気なども。

もちろん、これは私個人の感想であって、違う人が見れば、全く逆の感想を持つかもしれません。レベルなんて言葉を使いましたが、能力という意味ではありません。

指導者とか、目指す合唱とか、色々な条件はあると思いますので、もう少し長い目で京都市少年合唱団の男子部も見ていきたいと思います。

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4.第55回修了演奏会(14.12.21)

第55回修了演奏会1第55回修了生
(プログラムより。一部の方は欠けており申し訳ありません)


9月の定期演奏会で(人数の差に依るところが大きいとはいえ)男子部と女子部のレベルの差を見せつけられ、少なからずショックを受けていましたので、行こうかどうか迷いました。でももう一度自分の耳で確かめようと、鑑賞することに。

会場は京都コンサートホール。かなり早めに到着したのですが、前方の席は埋まっており、2階席の端っこの方に着席。また、右側(アルト・テノールパート)の団員はよく見えない席です。

1.全員合唱

まず最初は全員合唱として「Requiem Pacis」より3曲が演奏。やはり全員での合唱は迫力がありますが、昨年初めて聴いた時よりはインパクトは落ちる気がしました。まあ2回目なので、どうしても仕方ない面もあります。

3曲とも同じ宗教曲という選曲の問題もあったかもしれません。1曲くらいはポピュラーな曲を入れてくれたら印象が違ったと思います。最後にもう一度全員合唱がありますし、最初の曲は、この日演奏会のテーマという位置付けだったのでしょう。

2.みやこ光

次はいきなり男子部。修了生など変声した団員を除きますので、ボーイソプラノだけの編成 で、「Ave Maria」、「All things bright and beautiful」、「Dream & Dream 夢をつなごう」の3曲が演奏されました。

第55回修了演奏会2練習風景(プログラムより)

選曲的にはバラエティーがあって良かったと思います。振付もありましたので視覚的にも楽しめました。ただ、広い舞台の上では、人数も少なく、さらに声のボリュームも控え目ですので、聴いている方々には、物足りなく感じたのではないでしょうか。

合唱レベルは低いとは思いません。300〜400人くらいの身の丈にあった小ホールで、男子部だけのコンサートがあれば、もっと感動させられたように思います。ちょっと贅沢ですかね。

ここで会場を後にした方が、満足感をもって帰れたかもしれません。

3.京桜(みやこ ざくら)

さて次は昨年素晴らしい演奏を披露した女子部の京桜。「Cantate Domino」、「Ave Maria」、「Hail Holy Queen(天使にラブソングを より)」、「Happy Xmas」の4曲。

もう舞台に登場した時点で人数に圧倒されます。もちろん人数だけでなく一人一人の自信あふれる表情も。その印象に違うことなく、今年も素晴らしい演奏でした。曲は違いますが、同じタイトルの「Ave Maria」まで歌って差をつけるとは、容赦ない演出ですね。

この後休憩時間となり、ロビーで修了生によるコンサートがあり、大ヒットした映画「アナと雪の女王」から「Let it Go」などが合唱されたようですが、ロビーまで行く気力はありませんでした。

4.都紅葉(みやこ もみじ)

休憩をはさんで、もう一つの女子部で、「世界で一番おいしいパンケーキ」、「群青」、「ふるさとの星」の3曲が演奏されました。このグループも負けず劣らず素晴らしいものでした。ただ順番のせいもありますが、前の京桜に、いい所を持ってかれたような感じも否めません。

5.修了生とテナー・バス

本演奏会のメイン。修了生と変声後の男子部員(この年代でバスを出せる子はいないと思うのですが)により、「エトピリカ」、「ぜんぶ」、「いつまでも」、「あなたへ 旅立ちに寄せるメッセージ」の4曲が演奏されました。

いやいや、さすがに修了生です。合唱の上手さだけでなく、これから人生に旅立つといった感情をも込めた歌い方に、感動させられ、あやうく涙まで出そうになりました。合唱っていいなあ、と思った次第です。

ここで初めて気が付きました。男子部員の存在価値。それは混声3部合唱のため? 女子グループの京桜も都紅葉の完成度は高いのですが、地味ながらも男声パートがあることにより、合唱の拡がりが違うと思うのです。(すみません。私論であり、異議は沢山あると思います)

2015年の映画「くちびるに歌を」でも感じた事です。女子だけでまとまっていた合唱部に、美人先生目当ての男子生徒が入部してきてテンヤワンヤの物語。メインの旋律を歌う事は少ない地味な男声パートですが、あるとなしでは印象が違うように思います。

6.全員合唱

最後はまた全員合唱で、「Time to say Goodbye」と「I vow thee, my country」(ジュピターより)の2曲。最後という事で、本当にパワフルで素晴らしい合唱でした。ジュピターはクラッシックというより、平原綾香さんのポピュラーソングという方が、子供達にはわかり易いのかもしれません。


第55回修了演奏会3修了生がロビーでお見送り

これで本年の修了演奏会は終りです。今回感じたのは、京都市少年合唱団というのは、Nコンで言えば「中学生の部」であるということ。そう考えると納得できました。

即ち、京都市少年合唱団にとって、男子の存在理由はテノールであり、ボーイソプラノは不要かもしれないという事です。もちろん、これは私の勝手な印象であり、よく頑張った「みやこ光」の団員たちには申し訳ありません。

もしも出来るなら「みやこ光」が独立して、ボーイソプラノを生かした選曲や編成のコンサートを是非とも聴きたいものです。


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