1.第6回全国少年合唱大会(07.02.11)

第6回広島1 第6回全国少年合唱大会のプログラムから抜粋

日本に残された、数少ない少年だけの少年合唱団が集まってコンサートを行い交流を深める全国少年合唱大会が岡山市で開催されました。全国大会なのに、プログラムでは、たった5団体しか参加しません。桃太郎少年合唱団(岡山)、広島少年合唱隊(広島)、呉少年合唱団(呉)、京都市少年合唱団(京都)、栃木少年合唱団(栃木)の5団体。

ところが更に当日、栃木がキャンセルとなり、たった4団体!と寂しいものになりました。がっかりです。
そんな寂しいムードをぶっ飛ばしたのが、2番目に登場した広島少年合唱隊でした。上のプログラムでは4曲ですが、栃木がキャンセルした分、各合唱団とも急遽1曲追加しましたが、広島少年合唱隊は「怪獣たちのバラード」が追加されました。

広島少年合唱隊は選曲が素晴らしかったと思います。
1曲目は、よく合唱で使われるポピュラーな曲、
2曲目は、宗教曲で、しかも少年のソロ(といっても2人でしたが・・)が聴けました。
3曲目の「一本の木」は、広島ならではの原爆被爆のエピソードを歌ったものであり、

(注)ソプラノ館長様からご指摘があり「一本の木」は広島や原爆とは関係のないものでした。ただこの時は原爆慰霊の歌として感動しましたので、このレビューはこのままにしておきます。

4曲目は、追加の「怪獣のバラード」・・・これで弾け出し、ラストの「カンタール」はでぶっ飛びました。合唱というと、ピシっと背筋を伸ばし、静止して唄うものと先入観がありましたが、舞台狭しと踊りながら歌うのは新鮮でした。

しかしやはり年頃?の少年です。踊ったり振り付けするのを恥ずかしがる感じの団員が多く、ぎこちない感じもありました。(こんな場合、女子は平気なんでしょうけど)

その中に、1人だけリズムにノリノリで、本当に身体から踊っている髪の長い少年に、目を惹きつけられました。2曲目でソロを歌った隊員の1人で、首を少し傾けてリズムをとる様子が女の子のようで可愛く印象的でした。

合唱大会は交流を図ることが目的で、順位などは付けないようですが、もし順位をつけるなら、広島少年合唱隊が4団体中、ダントツの1位だと思いました。(あくまで素人の自分の主観です。)

この後、広島少年合唱隊に興味を持ち、07年3月の卒業コンサートを鑑賞するため、広島へ行ってきましたので、また、後日レポートします。なお、全国少年合唱大会に参加した、他の合唱団も、順次レポートしていきたいと考えています。

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2.2007春のコンサート(07.03.31)

広島2007春 春のコンサート会場


全国少年合唱大会で、最も魅力的だと思った広島少年合唱隊ですが、卒業コンサートがあると聞いて、どうしても行きたくなり、頑張って鑑賞してきました。

会場は広島市こども文化科学館の中にあるアポロホール。卒業コンサートなので、隊員の父兄や関係者ばかりで、関係のない人は入りにくいのでは、と危惧していましたが、受付の方は笑顔で、全く何の心配もなく、入れました。

250名収容のコンパクトなホールでしたが、舞台が近く、非常に観やすいホールです。開演とともに長いローブ?姿で隊員が登場。

 第1部

「ぼくたちのレパートリー」として「マイバラード」「地球の詩」「怪獣のバラード」の3曲でしたが、どうも声量不足で、ちぐはぐな感じでした。エンジンのかかりが悪いですね・・

最前列のマイク近くに入隊したばかりの幼児がいて、大きな声を出しているのですが、やはり音程がずれている感じです。でも、歌うことが楽しく楽しくて仕方がない!というような笑顔でしたので、それはそれで和みました。

 第2部

僕たちのメッセージ」として「花を贈ろう」「一本の樹」「折り鶴の飛ぶ日」の3曲。ここからやっとパワー全開!という感じで、感動的でした。

 卒業証書授与式

卒業生として9名の6年生が林隊長から1人1人卒業証書を貰いました(こんなに大勢が卒業して来年度は大丈夫かな、と少し不安に)。その後、6年生だけで2曲が演奏されましたが、新しい隊長さんが9名のことを、大変評価しているのが印象に残りました。

「彼らは、もうしっかりと身についているので、どんな場面でも自分たちでハーモニーを作ることができる」というようなことをコメントされていました。次に中学生以上の隊員で「見上げてごらん夜の星を」

 最後の部

「カンタール」「Let's search for tommorrow」「With you smile」「昴」「シング!」と、5曲で盛上ります。舞台が狭いのでカンタールの踊りは窮屈な感じでしたが、みんなノリノリでした。最後に「さようなら」で終演。こんなに充実したコンサートが無料ですよ! 本当に素晴らしかった!

一つだけエピソード紹介。
合唱の真最中にバタンと音がして、大きなリュックを背負った女性が入ってきて、会場の真ん中を堂々と歩いて舞台の方へ。(少し知的障害のある方のようです)

即座に、サーっと立たれたのは隊長の林氏で、女性を退去させるのかと思ったら、やさしく手を引いてエスコートされ、近くの席に座らせていました。隊長さんは子供を預かるだけに、最近多い物騒な事件への対応も必要ですが、今回の行動には敬服しました。

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3.第48回定期演奏会(07.10.21)

第48回広島1 第48回広島2 広島少年合唱隊第48回定期演奏会チラシ(右はアップ)


春のコンサートを聴いて、ますます広島少年合唱隊に魅力を感じ、秋の定期演奏会にも出かける事にしました。

前日の土曜日から広島に入り、平和資料館や美術館を散策。夜は広島市映像文化ライブラリーでPIFF(ぴあフィルムフェスティバル)の優秀作品上映会を鑑賞。

たった370円で3本の映画が観れて満足でした。その中の1本「single」が印象に残り、この映画のレビューを少年映画第3部にUPしておりますので、よろしければ見て下さい。

さて、広島で1泊した後、午前中も美術館などをめぐり、昼から広島県民文化センターへ。広島の繁華街の真ん中にあるんですが、昼食にビールを飲んでしまったせいか、地図片手にかなり探し回って、やっとたどり着きました。やや小さめのホールですが、999円の当日券を購入し、中へ入りました。

お世話になっている少年合唱サイト「ボーイソプラノの館」の館長様も来られていると聞いていましたが、この時点ではお会いした事がなかったので、どの方だろうとキョロキョロしているうちに開演時間を迎えてしまいました。

 第1部

まず「広島ユネスコ活動奨励賞受賞を記念して」と題して、外国の歌3曲が合唱されました。2曲目に、この合唱隊の十八番になった「カンタール」があったのですが、どうも前2回に聴いた時ほどの迫力がありません。ステージが狭いのかなと思っていたのですが、どうやらこの合唱隊はエンジンのかかりが遅いらしいです。後半になるほど、声量も大きくなり、エキサイトしてくるような感じでした。

 第2部

次に、「少年合唱の響き」と題して「あいつ」、「ぼくのおうえんか」、「なにかいいことありそうな」、「一千億の夢」の4曲が合唱されました。この4曲は知らない歌ですが、本当に良かったです。なにかジーンときて、涙が出そうでした。特に「あいつ」は、いつも喧嘩しているライバルの友だちが重い病気になり、お見舞いに行くと、本当は苦しいのに、自分の前でやせ我慢している様子が切ない・・なんて感じの歌詞で、少年同士の友情に思わずホロリとする感じでした。

 第3部

OBと隊員の母親による混声合唱。申し訳ありませんが殆ど思い出せません。

 第4部

「平和を願って」と題して、「ねがい」と「折り鶴のとぶ日」の2曲です。これも広島ならではの原爆の悲劇を鎮魂する歌で、本当にしっかりと心のこもった合唱でした。

 第5部

休憩をはさんで第5部は、「僕たちのレパートリー」と題して「Let's search for Tomorrow」、「With You Smile」、「昴」の3曲。前の2曲は少年少女合唱では定番みたいな曲で、メロディも覚えています。3曲目、少年合唱で昴とはどんなものか・・と少し危惧しましたが、無難に歌っていました。

 第6部

本日のゲストである広島ジュニアオーケストラの演奏と合唱でした。オーケストラの迫力に合唱が負けるのではと危惧しましたが(危惧ばっかりですみません。)、決して負けずに歌っていましたね。そして最後が「さようなら」。

最初は少し元気がないな・・と思ったのですが、終わってみれば大満足の定期演奏会でした。昨年度から比べると、多くの6年生が卒業しましたが、中学生になってもそのまま所属している隊員も多く、そんなに変わらなかったので安心しました。ただ、合唱隊の制服が明るいグレーの上下とベレー帽から、紺色のミリタリー的なものに変わったのは少し残念です。上のチラシ写真の制服は昨年までのものです。平和都市・広島の象徴のような感じでしたのに・・


さて演奏会が終わって、「館長様」に挨拶しようと、探していたのですが、それらしき方を見つけました。ボーイソプラノの館サイトに、館長様の近影写真がありましたので、それだけが頼り。

思い切って、声をかけさせて頂きますと、ご本人様でした。何とか挨拶を交し、本日の目的を達成して帰りかけましたが、ロビーで再度、館長様からお声がかかり、同サイトに寄稿されている道楽様(いつもTFM少年人形と旅をされている方です)を紹介して頂きました。

更には、なんと広島少年合唱隊の隊長様にまで紹介して頂いたのです。もうびっくりして何もしゃべれませんでした。ああ本当に充実した1日でした。

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4.第50回定期演奏会(09.10.15)

第50回広島1


2年振りの広島少年合唱隊の定期演奏会です。

新幹線で午前中に広島に入り、駅ビル2Fの食堂で少し早い昼食。広島焼の人気店があるのでしょうか。いつも行列が出来ていますが、さすがに昼なので、少しあっさり目がいいと、お寿司とビールを少々。

まだ時間があるので、路面電車に乗って比治山下へ。坂を登って広島市立現代美術館。有名写真家・荒木経椎氏の「広島ノ顔」と題する写真展が開催されていました。至って普通のポートレート写真ですが、何かパワーを感じます。

おっと、ぼやぼやしていたらコンサートに遅れてしまいます。今年の会場はALSOKホール。初めての場所ですが、アストラムラインという高速鉄道で、ミニ規格の地下鉄のような感じですが、そのまま白鳥駅へ。

第50回広島2 ホールのロビーに展示された歴代の合唱隊の制服です。


今年は、合唱隊の創立50周年記念の演奏会とのことで、ロビーには歴代の制服や写真パネルが展示されていました。

最盛期には200名もの隊員がいたのですねえ。今は・・・
昔のことを言っても仕方ありません。未来志向で!

ホールの中で、「ボーイソプラノの館」館長の吉岡様とお会いし、また隣の席で鑑賞させていただくことにしました。

 第1部

「折り鶴のとぶ日」と「レクイエム・ヒロシマ」の2曲。平和都市・広島の象徴のような合唱で、厳かに始まりました。

 第2部

第2部は3曲。広島少年合唱隊のために書かれた作品がいくつかあり、組曲「ひろしま」、組曲「春の知らせ」、また創立40周年の委嘱作品「君がいるから」からそれぞれ1曲。

 第3部

「歌い継ぎたい日本の童謡」と題して6曲の童謡がメドレーで合唱されました。やっぱりよく知っている歌を聞くと、聞いている方も盛り上がってきます。

 第4部

「僕たちのレパートリー」として、「斎太郎節」、「With You Smile」、「カンタール」、「昴」の4曲。ここが1番の盛上がりでした。「カンタール」は何回聞いても、ノりが抜群で楽しい歌ですね。他の合唱団も歌ってくれればいいのですが・・でもやっぱり広島少年合唱隊の十八番にしといて貰いましょうか。

 第5部

休憩をはさんで第5部はフォーレ作曲「レクイエム」から7曲。宗教曲ですが、非常によく歌い込まれているのが、素人の私にも判ります。荘厳なミサを受けたような印象でした。最後はOBの方々も含めて「大地讃頌」、「ひろしま平和の歌」の2曲で終了でした。

第50回広島3 ロビーで見送る合唱隊員たち

本当に充実した2時間でした。吉岡様とロビーへ出てみると、合唱隊員達が集まって見送ってくれています。非常に混雑した中で、1枚だけデジカメで撮影させて頂きました。(かなりピンボケ)

出口で、「ボーイソプラノの館」の論客である道楽様と合流。道楽様は、本日、小倉から鑑賞に来られていた北九州少年合唱隊の指導者の先生と団員1名と一緒でした。(なぜ?道楽様が北九州少年合唱隊の方々とご一緒されていたのかは不明ですが)

白島駅まで少し歩いたのですが、この団員の少年が、非常に礼儀正しく、ハキハキと話をしているのに、驚きました。広島少年合唱隊も素晴らしかったのですが、この北九州少年合唱隊の少年を見て、今度は北九州へ行こう!と決心したのでした。


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5.第51回定期演奏会(10.10.09)

第51回広島1プログラムから(昨年の定期演奏会)


秋の定期演奏会シーズンの開幕は広島から。これが定番になってきました。(本当に楽しみにしています)

3連休の初日、前日からの雨が残るあいにくの天気ですが、新幹線で広島へ。まず広島駅ビル2Fの飲食店街で昼食を済ませ、広島観光。

うっとうしい雨と思っていたら、なんと昼から雨も上がり、ますます気分が高揚してきます。

第51回広島2

まずは、広島駅前から路面電車で比治山下へ。私が学生時代を過ごした京都の街を走った電車が、そのままの姿で走っている事に、いつも感動します。

ひと気の少ない比治山を歩いていると、なぜか鎮魂の思いが湧き上がってきます。あの原爆ドームよりも強く感じる程。そして広島市現代美術館へ。ここは広島、いや日本でもベストに思う美術館の1つです。

広島へ来るたび必ず入館しましたので、3年でとうとうスタンプカードが埋まりました。

第51回広島3広島市現代美術館のスタンプカード

本当にセンスのいいカードでしょう? この☆マークがスタンプ。次回は無料で入館できるそうです。今回の特別展は「もっと動きを:振付師としてのアーティスト」と題する展示。まあまあ見応えがありましたよ。

その後も路面電車や徒歩で、広島県立美術館、ひろしま美術館とめぐりましたが、ここでは省略します。色々観光しているうちに時間が無くなってしまったので、あわてて広島県民文化センターへ。

第51回広島4 会場前の看板

何とか開演30分前の15:30に到着。当日券は999円。ホール前列で席を探していると、「ボーイソプラノの館」の吉岡様がおられましたので、ご挨拶して、お近くの席に着きました。本当はお隣の席で、いろいろご解説を聞きながら鑑賞したかったのですが、あいにく混雑しておりましたので。

 第1部

いよいよ開演。第1部は「僕たちのレパートリー」と題して、オリバーのマーチ、ビリーブ、千の風になって、昴、の4曲。どれも耳に馴染んだポピュラー曲ばかり。

オリバーのマーチを歌いながら舞台へ登場ですが、この合唱隊の癖?であるスタートの悪さは相変わらずです。声が出ていません。次のビリーブもまだまだ弱い。千の風くらいからようやくエンジン始動。昴は良かったですね。

 第2部

続けて第2部は、各クラスステージとして、予科の低学年は日本古謡メドレー、童歌です。全員、絣の着物を着て鞠をつきながら可愛く合唱。うまく歌えるかハラハラし通し。まるでお父さんになった気分で「頑張れ!」と祈っていました。

本科の高学年は「ほたるこい」ですが、彼らはもうプロフェッショナル。本当に安定した素晴らしい重唱でした。変声後の研究科メンバーは「荒城の月」。この合唱隊の定番曲ですが、現メンバーは、まだ低音が安定して出ない印象でした。これからですね。

 第3部

第3部は「平和を歌い続けて」と題して、「O Load Hear my Prayer」、「レクイエム ヒロシマ」、「世界の命=広島の心」の3曲。あまりポピュラーな曲ではありませんが、広島ならではのレクイエムです。本当に心に染み入る感じに包まれました。

第51回広島5 昨年はソプラノ少年


さて今年のメンバーですが、5年生と6年生に1人ずつ、声量がある団員がいて、合唱をリードしているようです。勿論、全員同じハイレベルであるに越した事はありません。でもこんなリーダーの存在は大切にしたいものです。

昨年の定期演奏会で、きれいなソプラノ独唱を聞かせてくれた中学1年生の団員がいました。(左の写真。最上段の写真中央を拡大したもの) 今年はどうしているんだろう、と探しましたが、見つかりません。

ようやく研究科メンバーの中に発見。やはり声変り、容姿も青年の姿に。1年でこれだけ変ってしまうのか、と成長ぶりに驚きました。(ちょっと寂しい気もします。でも、どんどん成長して、いい仕事をして下さい。)

 第4部

閑話休題。第4部は、混声合唱曲集「いつの日か」メドレー。これは本当に素晴らしい合唱でした。小学生高学年も全員、絣の着物に着替えて、ダイナミックな振付けを伴う合唱スタイルは、まさにこの合唱隊の真骨頂!

汽車、狸林、赤とんぼ、など童謡メドレーですが、溌剌とした発声、声量も十分、会場に来ていた幼児さえ、我を忘れて舞台に見入るような・・。本当は開演直後のオリバーマーチから、これくらいエンジン全開して欲しいのですけど。

 第5部

休憩をはさんで第5部は合唱団の父兄、OBによる合唱でした。相変わらず、しっかりとしたいい合唱でした。

 第6部

そして、いよいよ最終ステージはミュージカルステージ「11ぴきのネコ」の開幕です。このミュージカルは、TOKYO FM合唱団の持ちネタだと思っていたのですが、広島少年合唱隊でも演じられた事もあるそうです。吉岡様によれば、広島少年合唱隊は、TOKYO FM少年合唱団の前身であるビクター少年合唱隊をお手本に結成されたとの事で、色々と連携しているそうです。

TOKYO FM少年合唱団の舞台は、1人1人キャストを決めたミュージカルでしたが、今回の広島少年合唱隊は、時間の制約もあるのでしょうか、キャストを決めずに全員で合唱を中心にした展開です。それでも十分に楽しかった!

まず、舞台の袖からではなく、後方のドアから観客席通路を通って全員登場。合唱団の制服ではなく、それぞれ私服でネコミミをつけて、走り回っています。第4部のハイテンションを保ったまま、全員が舞台を溌剌を動き回り、素晴らしい声量で合唱を聞かせてくれました。

第51回広島6終演後のロビー

制服でなく、ジーンズ系など私服での演奏には、異論もあるかもしれませんが、何より、少年達が生き生きしていたので、それだけで満足です。できれば独唱がもっと多ければ、満点でしたけれど。

やがて、合唱団員は手をつないだまま、舞台を降りて、再び観客通路から後方のドアへと去って行きました。カーテンコールを待っていましたが、団員は戻らず、照明が点灯、終演のアナウンスがありましたので、仕方なく席を立ちました。

すると会場出口で、団員全員が「有難うございました」と観客に挨拶をしています。これはこれでサービスですね。「良かったよ」と言いながら、会場を出て、1Fのホールへ。


今年の定期演奏会は、本当に観客へのサービスが一杯で、大満足でした。こんなコンサートを続けていけば、新入団員だって、また増加するのではと思います。小さな子供にも、大人にも満足できるコンサート。東京地区の皆様も、来年は是非広島へ来てみて下さい。

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6.第52回定期演奏会(11.11.19)

第52回広島1 定期演奏会の看板から


定期演奏会の鑑賞はこれで4回目。今年は少し遅く11月の開催でした。当日、大阪は朝から大雨で家を出るのも億劫でしたが、新幹線で80分あまり。13:00過ぎに広島に到着した頃には雨も上がっていました。

これは昨年と同じ。雨が降っていても演奏会が始まる前には止んでくれます。何かご加護でもあるのかもしれませんね。(これは考え過ぎですね)

昼食は新幹線の中で済ませていましたので、すぐに駅前から路面電車に乗り「比治山下」まで。そこから山を登って広島市立現代美術館へ。

第52回広島2広島市現代美術館

今回は日帰りですが、この美術館だけは必ず行こうと決めていました。3年かけて貯めたスタンプカードで遂に無料で入館。「ブリキの方舟」という、ちょっと変った特別展。漫画家のしりあがり寿氏のオブジェ?が面白かった。館内はガラガラでしたけれど。

現代美術館を後にして、比治山下〜的場町〜紙屋町西と路面電車を乗り継いで、定期演奏会場の広島県民文化センターへ。入口ロビーで「ボーイソプラノの館」の吉岡様、道楽様とお会いし、吉岡様の招待券で入場させて頂きました。(吉岡様、毎回本当に有難うございます)

第52回広島3ドイツ公演の様子(現地TVより)
 第1ステージ

また吉岡様のお隣の席で解説いただきながら鑑賞となりました。最初のステージはドイツ演奏旅行記念と題して「野ばら」「ローレライ」「別れ」「ソーラン節」の4曲です。

いつもスロースターターの広島少年合唱隊ですが、今年の4曲はドイツ公演で歌い込まれているのでしょう、迫力満点の声量。ドイツ語も立派でした。最後のソーラン節もお見事。

ある意味で、広島、いや日本の名を背負ってドイツに行った訳ですから、恥ずかしい合唱はできません。でもこの合唱ならいいじゃないですか。素晴らしい。

 第2ステージ

次は、少年合唱の響きと題して「リフレイン」から4曲。この曲は童声合唱として少年合唱のために作られた曲とのことで、未来、遠く、など将来へ不安や夢が爽やかに歌い上げられています。隊員達も第1ステージの勢いを保持して、これも素晴らしい合唱でした。

 第3ステージ

次のステージは、男声合唱の響きと題して、変声後の隊員とOBによる「夜空ノムコウ」1曲。ご存知SMAPの歌ですが、こういうポップスを織り交ぜるのも飽きさせない工夫で良いと思います。

 第4ステージ

次は、平和を祈ってと題して、また少年合唱隊が再登場し「レクイエム・ヒロシマ」「明日という日が」「永遠のゼロ」の3曲。レクイエムヒロシマはドイツでも歌った鎮魂の曲。これはさすがでした。他の2曲も文句のつけようがありません。

ちょっと違和感があったのは「永遠のゼロ」。いえいえ合唱とは全く関係ありません。この小説の著者、百田尚樹さんの事。その昔「ラブアタック」という関西系のオチャラケ番組で、みじめアタッカーというクダらない素人学生だったのに、今は立派な小説家になって少年合唱隊に歌われるようになったんだなあ。

 第5ステージ

さて休憩をはさんで、いよいよミュージカルのステージです。今年は「ごんぎつね」。モノドラマとして隊員の朗読、寸劇、合唱で進行します。ごんぎつね役の少年隊員が可愛い。6年生という事なので、欲を言えば、もう少し独唱を聞きたかった。でもこういう構成なので仕方が無いのかもしれません。

朗読を担当した少年隊員も立派。中学生でもソプラノ(アルトかも)でしたので、彼の独唱も聞きたかった。北九州少年合唱隊の「白雪姫」ではナレーション役も独唱を披露してくれましたので。

ちょっと注文ばかり書きましたけれど、でも楽しいミュージカルステージでした。膝下までの短い着物姿も可愛いかったし、最後の挨拶や隊員へのインタビューも興味深く見ることができました。来年はどんな趣向になるのか楽しみです。

 第6ステージ

さてさて、次のステージはHBCふぁみりー。隊員の保護者やOBで結成された合唱隊。「夢の世界を」など橋本祥路作曲作品を3曲。

第52回広島4プログラムから
 第7ステージ

最後のステージは、ぼくたちのレパートリーと題して「ほたる」「ぼくたちの広島」「花はなぜ咲く」「宇宙に愛を」の4曲。ほたるは昨年に引き続き、幻想的で素晴らしい合唱でした。残り3曲は最後の力を振り絞って熱唱。

思いっきり拍手をしてアンコールを期待していましたが、終了のアナウンス。最近聴いていない「カンタール」を歌ってくれるのではと密かに期待していたのですが。でも少年隊員達の熱唱には本当に大満足。

終演後、隣の吉岡様のところへ少年合唱隊顧問の林先生がご挨拶に見えていました。私は少し黙礼しただけでしたが、林先生のお気遣いには頭が下ります。(三味線演奏も立派)

この11月には東京のフレーベル少年合唱団の定期演奏会を聴いて「さすが東京、レベルが高い」と感心しましたが、広島へ来てみて、東京とは違う広島独自のダイナミックさ、元気の良さを味わうことができ、同じ少年合唱でも奥が広い事を改めて実感。やはり少年合唱はいいですね。

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7.第53回定期演奏会(12.10.21)

第053回広島1定期演奏会の看板から


今年もやってきました。秋の定期演奏会シーズンのトップバッターは広島。仕事で東京出張など疲れが残っていたのですが、頑張って新幹線に乗りました。

昼前に広島到着。まずは定番の広島市現代美術館へ。今回の特別展は「ス・ドホ in between」という韓国のアーティストの作品群。ニューヨークのアパートに故郷・韓国の生家がミサイルのように突き刺さった模型に驚きました。(言葉では表現が難しいのですが・・)

今年は少し時間の余裕もありますので、美術館を出て比治山周辺をぐるっと散歩。途中で見つけた寿司屋さんで昼食。その後、的場町から路面電車に乗って原爆ドーム前まで。久し振りの平和記念公園です。

秋の修学旅行シーズン真っ只中。公園や平和資料館の中は、制服姿の小学生や中学生で溢れかえっていました。

第053回広島4広島平和記念公園

中には非常に真剣な表情で手を合わせ、頭を下げて祈っている小学生もいました。彼らの心に何が去来しているのでしょうか。彼らが大人になって、二度と悲劇が起らない世界を作っていって欲しいものです。

昼過ぎに会場の広島県文化センターへ。ロビーで「ボーイソプラノの館」の吉岡様と1年振りにお会いしました。現在ホームページの活動は休止に近いようですが、定期演奏会には精力的に行かれるとのお話を聞いて安心しました。

(第1ステージ)平和を歌い続けて

いよいよ開演。隊員たちが舞台の袖から登場し整列する瞬間は、いつになっても胸がおどります。「折り鶴の飛ぶ日」と「花を贈ろう」の2曲。広島少年合唱隊の持ち歌と言っていい「折り鶴」ですが、やはりスタートはやや乗りが悪く、特にアルトパートで、やや不協和な声が気になりました。

でもそこは広島少年合唱隊。曲の後半ではすっかり修正され、素晴らしい合唱になりました。2曲目は手話を交えてダイナミックな合唱になりましたが、このダイナミックさが広島の持ち味。大変良かったですね。(「折り鶴」は原爆後遺症で12歳で早逝された佐々木貞子さんを悼む歌、「花」は対人地雷撲滅キャンペーンの歌)

(第2ステージ)チコタン 〜本科ステージ〜

どうしてこんなに涙がでるんだろう! 心からこう叫びたくなるような合唱でした。
「こどものための合唱組曲チコタン」こんな曲があったのですねえ。「なんでかな?」、「プロポーズ」、「ほっといてんか」、「こんやく」、「だれや!?」の5曲。このタイトルでどんな歌かわかりますか?
チコタンの歌の内容は次のようなものでした。(歌詞ではありませんよ。)

僕は魚屋の息子。チコタンはクラスで1番チビ、ゲラ(笑い上戸)で、マシュマロみたいな鼻の女の子。
僕はチコタンに初恋をした。プロポーズ。でもチコタンは魚が嫌い。失恋。なんで魚屋の子に生まれたんや。
しかし復活。チコタンはエビ、カニ、タコは好きやって。おいしいエビ、カニ、タコを食べさしたろ。
そんな矢先、チコタンはダンプにはねられて死んだ。横断歩道で黄色い旗もったまま・・

広島の少年達ですが、全て関西弁で歌われました。決して力むことなく淡々と歌っているのですが、それがかえって心に沁みてくるんです。歌詞もあいまって最後は涙をこらえるのに必死でした。

自宅に帰ってネットで調べてみると1970年代の交通戦争(死語)ピークに作られた歌で、関西だけでなく全国で歌われている有名な曲だそうです。youtubeに、あの西六郷少年少女合唱団が歌っているアニメーションもありました。

西六郷は女声が優勢で非常に華やかであり、技量としては広島より上かもしれません。でも合唱としての感動は、広島少年合唱隊の方が素晴らしいと思います。なんてったって男の子の気持ちを歌ったものですからね。 追伸〜「チコタン」作曲家の南安雄氏は本年9月に逝去されました。ご冥福をお祈りいたします。

(第3ステージ)道 〜研究科ステージ〜

研究科として中学生以上の隊員により「道」が演奏されました。EXILEのヒット曲ということですが、どうも前のステージのチコタンの余韻が頭から去らず、やや印象が薄くなってしまいました。なお中学生でも変声前の隊員はここには参加していなかったようです。(ちょっとうろ覚え。誤りがあるかもしれません)

(第4ステージ)僕らのレパートリー

前半最後のステージは、広島少年合唱隊の持ち歌のようなポピュラーソング。「永遠のゼロ」、「明日という日が」、「怪獣のバラード」、「SING!」の4曲です。

「永遠のゼロ」は昨年も歌われた曲。今や人気作家になった元「みじめアタッカー」百田尚樹氏の同名小説をもとにした歌。3曲目の「怪獣のバラード」も定番曲です。怪獣の着ぐるみを来た低学年隊員達も楽しそうでした。最後の「SING!」は知らない曲でしたが、これもいい合唱でした。(私の世代では、どうしてもカーペンターズのSINGを思い出してしまいます。こっちも歌って下さいね)

(第5ステージ)HBCふぁみりぃステージ

恒例の合唱隊員OBや家族で結成されたコーラスです。「花は咲く」と「fight」の2曲。前者は復興支援ソング、後者は今年平成24年度のNHK学校音楽コンクールの課題曲。どちらもタイムリーな選曲でした。

(第6ステージ)ミュージカル 「獅子の笛」

いよいよラストはお待ちかねのミュージカルです。全部で16曲の構成ですが、曲名は省略させてもらい、ごく簡単にストーリーを紹介します。
むかしむかしのある地方。日照りが続き食べ物がなくなった。神様にお願いすると「遠くの国にある黄金の稲穂を探せ」と告げられた。そこで勇気ある3匹のキツネが黄金の穂を求めて旅立った。苦難を乗り越えて黄金の稲穂の国に到着したが、そこには守り神の獅子夫婦がいたが、すきを見て稲穂を奪って逃げ帰った。だが獅子は追いかけてきたのだ。

第053回広島3主要キャストの隊員たち

全篇にわたってダンスや振り付けもある非常に楽しい舞台でした。学芸会レベル?とんでもありません。劇団四季とまではいきませんが、プロフェッショナルな出来です。これは指導者がそうとう苦労して演出したものと思います。

今回主要キャストの隊員達はピンマイクをつけていました。伴奏はピアノ生演奏でなく、録音のオーケストラですが、この音響が今ひとつのように思いましたが、聞いているうちに慣れましたけれど。またピンマイクに不慣れな隊員も。誰かって? 君ですよ。1番大事な役を演じた君。(でも声が素晴らしかったので、今回は大目に見てあげましょう・・)

獅子を演じたのは指導者の先生。最初は高校生隊員が歌っているのかと思いましたが、これだけ低音のバリトンは、やはり大人しか出せないでしょうね。獅子の妻を演じた隊員。彼の声は少し割れている部分はあるものの、本当に素晴らしい声でした。
それだけに、ピンマイクのモタモタが残念(あっ言ってしまった・・)

第053回広島2終演後のロビーでお見送り

またキツネのリーダーを演じた隊員も印象に残りました。もう中学生なのに透き通ったソプラノが素晴らしい。こんな隊員がどこにいたのかと不審に思っていたのですが、ミュージカルではメガネを外していたのですね。それにしても少年達だけで、こんなに素晴らしい舞台が出来るとは。

余韻を残しながら、ロビーに出ると、今ミュージカルを終えたばかりの隊員達が、その扮装のままでお見送りです。2枚だけ写真を撮らせてもらいました。
今年も本当に大満足の定期演奏会。「ボーイソプラノの館」の吉岡様、道楽様と少しお話をし、夕暮れの広島の町を歩いて帰宅の途につきました。来年も絶対行きますよ。

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8.第54回定期演奏会(13.11.04)

第54回広島2定期演奏会の看板から


広島少年合唱隊の定期演奏会も5年連続になります。ここへ来ないと秋がはじまらない、そんな恒例行事になってしまいました。

今年は3連休の最終日。前日の日曜日に広島入りしようと思ったのですが、準備が遅れ、手頃な値段のホテルはどこも満室。仕方なく、当日の朝早い新幹線で広島到着。

そして広島にくると必ず寄るのは、広島市立現代美術館。今年も路面電車で比治山下から、山を登りました。開館と同時くらいに入館でしたので、時間を気にせず、ゆっくりと鑑賞。

いったん広島駅に戻り、駅ビル2階飲食街で昼食。また路面電車でゆっくりと原爆ドーム前へ。(なぜかいつも1日乗車券を買ってしまいます)

第54回広島3 平和祈念資料館にて

まだ1時間くらいありましたので、ゆっくりと公園内を歩きました。資料館(入館料はたったの50円)も、これまでは時間に追われて、ざっと通り過ぎるだけでしたが、じっくりと鑑賞。

毎年の事ですが、修学旅行の小学生で資料館内も公園内も溢れています。政治的なことは判りませんが、やはり平和が続くように祈りたくなる場所です。

時間になり、広島県民文化センターへ。「ボーイソプラノの館」の吉岡様と合流し、いよいよ開演です。

第54回広島1 公式サイトの動画より
 第1部 (1)平和を願って

例年より、やや観客の入りが少ない感じでしたが、いきなり後ろの方から歌声が聞こえてきました。通路を通ってそのまま壇上に整列し合唱スタート。
「Dona Nobis Pacem」、「折り鶴の飛ぶ日」、「Ave Verum Corpus」の3曲です。

昨年とメンバーが大きく変った印象ですが、折り鶴の飛ぶ日は、広島少年合唱隊の伝統を引き継いで、これは素晴らしい合唱でした。

 第1部 (2)予科・本科ステージ

ここでは低学年(予科)による「にじ」と、小学生全員による「七色アーチ」の2曲。まだ十分に声が出ない低学年の隊員ですが、その目は真剣そのもの
あと2,3年すれば素晴らしい合唱を聞かせてくれるのでは、と期待大です。

 第1部 (3)研究科ステージ

中学生以上の研究科隊員により、「ふるさと」1曲が演奏されました。これはジャニーズの嵐が歌い、本年度(2013年)のNHK学校音楽コンクール小学生の部課題曲になった曲です。

私にとっては、まだ耳に馴染みのない曲ですので、演奏が上手いのかどうか判断はつきません。無難に歌ったなあという感想でした。メンバーが変ったせいなのか、もう少し元気があってもよいかな。

 第1部 (4)僕らのレパートリー

1部の最後は全員による、「大空に」、「永遠の0」、「花は咲く」、「カンタール」の4曲。最初の「大空に」は、合唱隊隊長の平田先生による作詞・作曲とのことで、さすがによく練習されています。

「永遠の0」は、本年12月に映画公開が控えています。色々と政治的なスタンスで異論もあるようですが、純粋に映画として、音楽として楽しみたいと思っています。「花は咲く」は、東北震災復興のチャリティソング。いまだに復興が進まない中で、本当に申し訳ありませんが、やや食傷気味です。

そして久し振りの復活!カンタール
以前の合唱スタイルからどんな変化があるのかと思っていましたら、全く同じ。これは嬉しいです。とにかくノリがいい。今まで、おとなしかった隊員も水を得た魚のようにイキイキ。観客のノリも違います。やっぱり広島は、カンタールですよっ!

ソロを歌った小学生隊員も可能性を感じましたし、この曲が本日のベストでした。

 第2部 (1)HBCふぁみりぃステージ

合唱隊員OB、指導者、家族で結成されたコーラスで、「遠い日の歌」、「心の中にきらめいて」の2曲。毎年恒例ですが、非常によく練習されている成果が出たのではと思います。

 第2部 (2)ミュージカル Sound of Music

入口でプログラムを貰って、本当に期待していたステージでした。あの「サウンド・オブ・ミュージック」を少年達で演じると聞けば、大興奮します。誰がマリアを演じるのだろう?

しかし、結論から言いますと、ミュージカルというより合唱メドレーでした。曲の前に、短い寸劇がありますので、その辺りは楽しめました。でも、女装した隊員によるマリアや、トラップ大佐も見たかったです。(これは、北九州少年合唱隊に期待しましょう。)

「朝の賛美歌」、「アレルヤ」、「サウンド・オブ・ミュージック」、「ドレミの歌」、「私のお気に入り」、「ひとりぼっちの羊飼い」、「エーデルワイス」、「さようなら、ごきげんよう」、「すべての山に登れ」の9曲。

最初の2曲を除き、どれも有名な曲ばかり。私は英語でも歌えます(中学生の時に、なぜか英語の勉強で覚えました)。今回の中で特に良かったのは2曲。ひとりぼっちの羊飼い。これはヨーデルの発声が必要なのですが、ソロを歌った隊員たちは、うまくこなしていました。非常に可愛いかったです。

そして定番の「ドレミの歌」。これも盛上りました。最後のアンコールに、もう一回ドレミの歌があり、本年の定期演奏会は終了。

第54回広島4 終演後ロビーでお見送り
 おわりに

楽しい時間はあっと言う間に過ぎてしまいました。特に今年は1時間40分程でしたので、余計に短く感じます。

本年の印象は、曲によって練習度が異なるのか、完成度にバラつきがあったように思います。しかしどの曲の中にもハッとするような美しいハーモニーの瞬間がありました。今のメンバーでうまくいけば、来年は本当に素晴らしい合唱団になるのではないでしょうか。

ひとつだけ。定期演奏会の舞台看板ですが、会場の前列に座ると、看板に遮られて、隊員の上半身しか見えません。 天井から吊り下げるのは無理なんでしょうか(コストがかかる?)。せめてミュージカルの時は後ろへ下げてくれると良かったのですが。

わがまま言ってすみません。でも、看板は今のままでも、来年も必ず鑑賞します。是非、皆様頑張って活動を続けて欲しいものです。

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9.第55回定期演奏会(14.11.08)

第55回広島1 毎度おなじみの定期演奏会の看板


1週間前の北九州に続き、広島少年合唱隊。連続ですが、ここへ来ない訳にはいきません。曇天ですっきりしない天気でしたが、9:30には広島到着です。

まずは路面電車の一日券を買い、比治山下から広島市立現代美術館へ。「戦後日本住宅伝説」という企画展でしたが、なかなか面白いもの。広島の皆さん、必見ですよ。

いったん広島駅へ戻り、駅ビル2階で昼食。広島焼きの店が多いのですが、行列には驚きます。また路面電車で原爆ドーム前。いつも修学旅行生で溢れている平和記念公園ですが、この日は、小中学生が殆どおらず、どこか閑散としています。

入館料50円の広島平和記念資料館ですが、なんとリニューアル工事中で、展示面積が思いっきり縮小。このせいで小中学生が少ないのかも・・

そのまま広島県民文化センターへ。ロビーでまた「ボーイソプラノの館」館長様と合流し、ホールへ入場。前列中央のベストポジションに着席させて頂きました。昨年、看板がフロアに置いてあり、ステージが非常に見にくかったのですが、今年は、吊り下げ看板でしたので、本当に素晴らしい舞台を見せて頂けました。

 第1部 (1)平和を願って

いよいよオープニング。うれしい事に隊員数は少し増えているようです。いきなり「隊歌」が始まりました。えっ、広島少年合唱隊に隊歌なんてあった?と戸惑いましたが、アカペラで、ダンスを交えながら、元気よく、そしてあっと言う間に終了。(これがお披露目でしょうか。1番?しかないのが、簡潔で好感が持てます。あまり長いと、やや中だるみ・・)

その後、「Bless the Lord』と「Ave Maria」の宗教曲2曲を続けて演奏。なかなかいいハーモニーでした。例年はここで広島にちなんだ歌があるのですが、禎子の折り鶴・・のような。やはり広島ですので、1曲くらい聞きたかったというのは贅沢でしょうか。

 第1部 (2)予科ステージ

低学年の予科を中心に、「虫歯の子どもの誕生日」と「わたしと小鳥と鈴と」の2曲。低学年の隊員が増えたのは、将来を考えれば本当に心強いことです。まだ少しもじもじとして、きちっと整列できない子供がいるのは、大目にみてあげましょう。来年はしっかりね・・

 第1部 (3)研究科ステージ

中高生のシニア隊員による「鴎(かもめ)」。1曲だけですが、よく練習された感じがして好感が持てました。まだ、やや高めの声を持つ中学3年生の隊員が、MCや合唱で、いい味を出していました。

第55回広島2 公式サイトの動画(リハーサル風景)
 第1部 (4)「みんなのうた」より

NHKの「みんなのうた」で唄われた定番ソングとして「手のひらを太陽に」、「小さな木の実」、「勇気ひとつを友にして」の3曲を全員で。

どの歌も、広島少年合唱団らしいパンチの効いた声でした。昨年よりずっとずっと上手くなったように思います。6年生隊員が6人もおり、彼らが合唱をリードしているようで、声に安定感があります。

 第1部 (5)僕らのレパートリー

第1部のラストは、「雨のち晴レルヤ」、「大切なもの」、「SIYAHAMBA」の3曲。ここで広島少年合唱隊のパワーが炸裂、いやいや素晴らしい熱唱の連続でした。

雨のち晴レルヤは、先週の北九州少年合唱隊でも唄われました。人数のせいもあると思いますが、この曲に関しては広島の方がよく歌い込まれています。でも「ゆず」の歌は難しい!。2曲目の大切なもの、これも素晴らしい合唱でした。

3曲目のSIYAHAMBA、南アフリカの歌との事ですが、あの「カンタール」と同じように、舞台いっぱい使って、大きな振りをつけながらリズムに乗って歌います。これが広島の真骨頂ですね。

ここで謝らないといけない事があります。
先週の北九州少年合唱隊のレビューで、笑顔の少女合唱に比べて、少年合唱はどこの団体でも、ブスっとした表情の子ばかりで、やる気の無いヤラサレ感が漂う・・なんて書きました。これは大間違いでした。

広島少年合唱隊の隊員たち、やる気がみなぎっている少年が本当に多いのです。特に前列のセンターにいた6年生の隊員。決して作り笑顔なんかではなく、真剣な表情で、歌う事が楽しく楽しくて仕方がない、そんな豊かな表情と大きな振り付けが印象的でした。彼につられて、他の6年生もいい顔をしています。

そういえば、伝統的に広島には、こんなタイプの少年隊員が多かったなあ、なんて思い出しました。合唱はまだ粗削りの部分もありますが、この元気の良さで、今年の広島は十分にカバーできています。

 第2部 (1)HBCふぁみりぃステージ

合唱団OB、保護者、指導者により「あすという日が」、「今」の2曲が演奏されました。毎年ほぼ同じメンバーですので、合唱の完成度は非常に高いものでした。合唱に先立ち、50年前に隊員だったという方が、当時の定期演奏会のプログラムを紹介してくれました。東京オリンピックの年だったのですね。

第55回広島3公式サイトの動画(リハーサル風景)
 第2部 (2)ミュージカル 11ぴきのネコ

いよいよメインのミュージカル。11ぴきのネコは、数年前にも見ましたので、私は2回目です。北九州少年合唱隊のように本格的に配役を決めて、演出をする本格的なミュージカルではなく、全員で演じる合唱ミュージカル。

演劇として見ると、北九州には遠く及びませんが、音楽的には、広島の方がパワーがありました。全員が必ず、1回はソロを歌うシーンを入れており、隊員のカタログのようで、興味深いものでした。

全員が公平にソロがあるのは楽しい反面、もう少しソロの声を聞いてみたい隊員もおり、その意味では少し消化不良の感じがしないでもありません。でも合唱ですから、これはこれでいいのだろうと思います。

第55回広島4公式サイトの動画(リハーサル風景)


右の白猫に扮した隊員は、先ほどの第1部で、前列センターで素晴らしい表情をして歌っていた6年生。彼がミュージカルでは主役級で活躍してくれるのかと思ったのですが、やはり35名の中の1人という公平な配役でした。

ちょっともったいない気もします。でも、いい印象を残してくれました。彼を含め6人の6年生が、来年中学生になっても全員残って欲しいところです。

ミュージカルが終わると、前回はそのまま、観客席通路を通って隊員は退出したので、アンコールや最後の挨拶を期待していた観衆には少し肩すかしをくらった気分でした。

でも今年は、ミュージカルナンバーを1曲アンコールとして合唱しながら、観客席からの手拍子にのって、予科、本科、研究科と、カーテンコールのように、挨拶をしてくれました。(北九州少年合唱隊のスタイルを勉強したのかもしれません)

いや何度も書きますが、昨年に比べて練度が高くなり、本当に満足のいく定期演奏会でした。広島に来れない皆様が可哀想なくらい・・。来年も楽しみです。

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10.第56回定期演奏会(15.11.21)

第56回広島1プログラム表紙(上半分)


もう広島少年合唱隊の定期演奏会に来るのは8回目になります。11月3連休の初日、今流行りのインバウンド(外国からの観光客)もあり、2か月前から新幹線とホテルを押えましたが、広島は観光シーズン真っ盛り。

9:30には広島駅着。路面電車で比治山下から広島市立現代美術館。ここは私にとって広島の巡礼1番札所です。一旦広島駅に戻り、駅ビルで昼食をとった後、また路面電車で原爆ドーム前へ。

平和祈念公園は2番札所(本来なら聖地ともいえる場所ですが)です。資料館には入らず、鎮魂の思いだけを深めた後、今年は、これまで行った事のないミュージアムを訪れることにしました。


1つ目が日本銀行広島支店跡ビル。ここでは荘重な建物、地下室、金庫などを無料で観覧できます。また原爆についての資料や写真パネルも豊富に展示されており参考になります。

第56回広島2日本銀行広島支店跡

2つ目が頼山陽史跡資料館。この資料館も日本銀行広島支店跡も平和記念公園から歩いて数分くらいの場所。鞭聲粛々夜河を過る(べんせいしゅくしゅくよるかわをわたる)という川中島の戦いの詩(実はこれしか知りません)で有名な頼山陽が若い頃に幽閉されたという屋敷です。勉強になりました。

その後、広島県民文化センターで「ボーイソプラノの館」館長様と合流。ここでなんと元広島少年合唱隊長で、現在は顧問の先生にご挨拶する機会を得ました(館長様の後ろにいただけれですけれど。詳細は下で記載します)。会場では、また前列中央のベストポジションに着席。気のせいか、少し観客が少ないような気がしましたが、ワクワク感は盛り上がってきます。

 第1部 (1)混声合唱版完成記念

さてオープニングです。昨年に引続き隊員数は少し増えているようです。広島少年合唱隊のために書かれた「(少年のための5つのソング)君がいるから」という曲があり、その混声合唱版が完成したとのことで、お披露目として「君がいるから」「ことばは不思議」「雨の日のラブソング」「ぼくたちのひろしま」「花はなぜ咲く」の5曲が演奏されました。

どれもしっかり地に足の着いた合唱で、安心して聴くことが出来ました。しかしふと思った事。昔は変声前の少年しかいなかったので、この曲も同声合唱だったのに、今は隊員が減り、変声後の上級生も残るようになったので、混声版が必要になったのかと思うと、少し複雑な気持ちもあります。

 第1部 (2)予科ステージ

昨年同様に低学年の予科隊員による「手のひらを太陽に」と「Believe」の2曲。昨年は舞台で整列できず、モジモジと動く子が気になったのですが、今年は気にならないレベルにまで成長したようで、ほっとしています。

 第1部 (3)今年出会った歌

続いて本科隊員による「大切なふるさと」「For the beauty of the earth」の2曲。今年初めてレパートリーに加わった曲との事ですが、さすが本科隊員はしっかり合唱できていて、昨年より確実にレベルが上がったなあという印象を受けました。(エラそうな話ですみません)

 第1部 (4)平和を祈り続けて

次は宗教歌として「ピエ・イエズ」「アヴェ・ヴェルム・コルプス」の2曲。先ほどの「For the beauty of the earth」と合わせて宗教曲が3曲続きましたが、これは平和を世界に発信する都市、広島の一つの宿命みたいなものですから、重みを感じます。

特に「ピエ・イエズ」は広島少年合唱隊の定番のような曲で、毎回ソロを歌う隊員には感心します。プレッシャーもあったと思いますが、今年も本当にしっかり歌ってくれました。

 第1部 (5)男声合唱の響き

中学生以上の研究科隊員、OBにより「夕焼け」が演奏されました。広島少年合唱隊は変声を迎えると無理に裏声を使わずに、テノールなど男声パートで合唱を続けます。やはりこれが自然でいいと思います。
(プログラムには「男性合唱の響き」とありましたが、「男声」だろうと思いましたので、ここではそう記載しています。間違っていましたらご容赦下さい)

 第1部 (6)僕たちのレパートリー

第1部の最後は全員による「With You Smile」でした。やはり全員で合唱すると本当に迫力が違います。合唱曲の定番ソング、メロディーも親しみ深いので、聞いていても大変盛り上がりました。

余談ですが、カラオケに行った時、歌う曲に困ってリモコンで検索していると、With You Smileがあるんです。酔った勢いで入れてしまいました。耳で聞いただけの曲ですが、ちゃんと歌えましたよ。でも周りのオジサン連中は、なに、その唄?と全く反応なし。仕方ありません。(ちなみにカラオケ機種はJoySound)

 第2部 (1)HBCふぁみりぃステージ

合唱団OB、保護者、指導者により、土の歌から「死の灰」「地上の祈り」「大地讃頌」の3曲が演奏されました。これも毎年恒例です。3曲目の「大地讃頌」は合唱曲の定番ですが、最初の2曲はあまり記憶がなく、新鮮に聴くことができました。

 第2部 (2)創作ミュージカル

今年のミュージカルは「獅子の笛」で、2012年の第53回定期演奏会以来3年振りの上演となります。第53回定期演奏会のレビューにも書きましたが、ストーリーを簡単に再掲します。

第56回広島3広島少年合唱隊ブログより

昔々のある地方。日照りが続き食べ物がなくなった。神様にお願いすると「遠くの国にある黄金の稲穂を探せ」と告げられた。そこで勇気ある3匹のキツネが黄金の穂を求めて旅立った。苦難を乗り越えて黄金の稲穂の国に到着したが、そこには守り神の獅子夫婦がいたが、すきを見て稲穂を奪って逃げ帰った。だが獅子は追いかけてきた。

正直に告白しますと、始まるまで3年前の上演は忘れており、初めてみる舞台だと思っていました。でもすぐに思い出しました。ああこれだったか。3年前よりも隊員数が増えていることを象徴しているのは、ほぼ全ての役がダブルキャストであったこと。

シーン毎にキャストが入れ替わるので、あれ?さっきまでと声が違う、などと最初は戸惑いましたが、考えてみれば、2倍楽しめる訳で、違和感もなくなり舞台に集中できました。上級生の熱演もあって本当にいい出来だったと思います。全部で16曲が演奏されましたが、曲名は省略させて頂きます。

第56回広島4終演後のロビーの様子
 おわりに

今年も満足感のうちに定期演奏会は終了。ロビーへ出ますと、隊員たちがミュージカルの扮装のままでお見送りをしてくれています。1枚だけでも記念写真を撮りたかったのですが、狭いロビーはごった返しており、ちょっと無理でした。

この後にサプライズ。元広島少年合唱隊の隊長で現在は顧問をされているH先生、ボーイソプラノの館の館長先生、同サイト客員の道楽先生と4名でホール下の喫茶室で歓談できたことです。H先生と館長先生は古くからのお知り合いとの事で、私はたまたま同席させて頂いた格好ですけれど。

少年合唱団の運営、指導者の世代交代の難しさなど、裏話を垣間見ることができて大変参考になりました。本当にいい時間をすごさせて頂き、充実した1日でした。

さて、この日は広島に宿泊して、本日の演奏を思い出しながら八丁堀で一人酒。3連休初日。翌日は中国地方を少し観光して、翌々日は岡山の桃太郎少年合唱団の定期演奏会に。(呉少年合唱団定期演奏会と重なっており、両方行きたいのですが、帰りの時間の関係で岡山を選択。呉も行きたいのですが・・)


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