1.第23回定期演奏会(09.11.23)

第23回北九州1  第23回北九州5 左はプログラム表紙、 右は会場となった北九州芸術劇場の看板


初めての鑑賞でした。前日11/22は岡山の桃太郎少年合唱団の定期演奏会を鑑賞し、そのまま岡山で宿泊。翌23日の朝、新幹線で小倉へ。小倉は初めてです。福岡は何度か行っていますが、小倉は通過するだけでした。

まず、会場となる北九州芸術劇場のあるリバーウォーク北九州へ。昨日の雨が上がり、素晴らしい秋晴れで、小倉城が美しい公園の中にありました。開演は15:30なので、小倉の街を散策することに。


第23回北九州2松本清張記念館の正面入口

小倉城は駅伝大会か何かの準備中でしたので、今回はパスして、松本清張記念館へ。ここは小倉の旅番組では必ず紹介されるスポットですが、そんなに混雑もしておらず、ゆっくり鑑賞できました。清張氏の家まるごと再現されているのが興味深いですね。

お腹が空いてきましたので、昼食をとろうと繁華街へ。旦過商店街という昭和レトロな商店街を発見。レトロというより、運河に沿った風景は中国かアジアの雰囲気ですね。

第23回北九州3 第23回北九州4 (左)運河と旦過商店街、(右)無法松の碑

北九州は「焼きうどん」発祥地らしいので、うどん屋を探しましたが、適当な店が見つからず、商店街の中華料理屋で昼食を済ませ、運河に沿って歩いていくと見つけました!
無法松の碑
♪小倉生まれでぇ、玄海そだちぃ〜、なんて古い唄を思い出しました。と言っても、歌い出しの部分しか知りませんけど。 (なお、本当の碑はこの写真の奥にあります)

この他にも北九州市文学館や美術館にも行きましたが、このままでは旅行記になってしまいますので、これくらいにします。

コンサート会場入口で「ボーイソプラノの館」館長の吉岡様と待合せして入場しました。(吉岡様からコンサート招待券を戴きました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。)中劇場とはいえ、700名収容の素晴らしいホールで、ほぼ満席の盛況でした。

 オープニング

いよいよ開演。日本では珍しい?セーラー服の合唱隊員が登場し、オープニングは合唱組曲「北九州」から「筑紫なる北のわが街」でした。地元の曲だと思いますが、やや緊張しているのか、声が出ていない感じもしました。

 第1部

第1部は「少年隊の宗教曲」と題して「ピエ・イエズス」など3曲。ようやくエンジンがかかってきました。少し違和感を感じたのがマイクの感度です。普通は天井から吊るされているのですが、まるで全員がピンマイクを付けているような感じなのです。おかげで声は非常によく通るのですが、ちょっと肉声とは違うような・・

 第2部

次はOBが加わって3曲。最後の「Let's search for Tomorrow」でエンジン全開。この後、指導者の先生が出てきて「会場の皆さんで一曲歌いましょう」と、歌唱指導が行われました。その曲がなんと「森のくまさん」です。
歌声喫茶?ならいざ知らず、NHK「お母さんといっしょ」じゃないか・・と閉口しておりましたが、隣で吉岡様は歌っております。会場の皆さんも次第に声を出して合唱をはじめ、かなり盛り上がってしまいました。

 第4部

休憩をはさんで第3部は、友情出演の小倉少年少女合唱団です。少年少女とはいえ、実質的には少女合唱団ですが、選曲がよいので、楽しく鑑賞できました。

 第5部

そしていよいよメインイベントのミュージカル「ヘンゼルとグレーテル」
フンパーディンク作曲のこの劇は、ウィーン少年合唱団のコンサートでも見たことがありましたが、日本人少年だけで出来るのか不安でした。(学芸会もどき?を見せられるのでは・・)

でもその不安は杞憂でした。歌もダンスもよく練習されており、ミュージカルとして通用します。ヘンゼル役は、前半の合唱で1番声の出ていた少年で、グレーテル役も女の子になりきった少年?で、二人の息はぴったりと合っているので、安心して見れます。

魔女役の高校生、お母さん役の2人も女性を演じていましたが、1番インパクトがあったのが、「眠りの精」を演じた少年です。妖艶な雰囲気の美女(ニューハーフ?)は、目に焼きついてしまいました。

もっとずっと見ていたい! しかし無情にも終演時間。でも指導者の先生が再び出てきて挨拶などの後、「時間は過ぎていますが、アンコールいいですか?」いいに決まってる!

第23回北九州6 終演後ロビーにて

アンコールも憎いじゃないですか。単なる合唱ではなく、ミュージカルの1場面を再演してくれました。ダンスも完璧。本当に感動しました。

興奮冷めやらぬまま、ロビーに出ると団員達も集まってお祭り状態。祝福されたり写真を撮ったり・・。熱演で女装のお化粧がとれそうになった団員を1枚だけ撮影させて貰いました。(写真は敢えて小さくしております)

新幹線の時間が迫ってきましたが、吉岡様と2人、興奮しながら小倉の駅へと向かったのでした。来年も必ず行こう!

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2.第24回定期演奏会(10.11.23)

第24回北九州3  第24回北九州5 定期演奏会プログラムから。右は昨年のミュージカルの様子。


昨年に続き2回目の鑑賞。毎年11月23日祝日に定期演奏会を開催するようです。お世話になっている「ボーイソプラノの館」館長の吉岡様と14:00に会場前で待合せですが、12:00前に小倉に到着。本当なら小倉に一泊して、観光&街歩きをしたいのですが、年の瀬も近づき、休暇を取るのは無理でした。

第24回北九州1レトロな旦過市場と、お昼を食べた寿司屋さん(右)

まずは腹ごしらえ。昭和の雰囲気の漂う旦過市場まで歩き、ぱっと見つけたお寿司屋さんに入り、昼食(ビールも飲んでしまった)

九州風なんでしょうか豚骨みたいに白いスープのしじみ汁が抜群に美味しかった。さらに近くの店で、タイ焼ならぬムツゴロウ焼(小倉餡)を一匹買って食べ歩き。(いい大人なのに、少し恥ずかしい行動でした。)

アルコールを飛ばすため、早足でウォーキング、北九州市立文学館へ。「文学と格差社会」という企画展をやっていました。

第24回北九州2北九州市立文学館

観客は自分の他に1人だけ。じっくりと鑑賞することが出来ました。こういう時間は本当に気が休まります。ふと気がつくと、もう13:30。この後、松本清張記念館に行く予定でしたが、今日は断念。

小倉城跡の公園を少し散歩し、北九州芸術劇場へ。吉岡様と無事にお会いできましたが。ここで思わぬミス発覚。当初14:00だと思っていた開場時間が15:00であることに気づきました、1時間もありますので、喫茶店でも、と探しましたが、いい店がなく、結局ロビーで開場を待ちました。

 オープニング

いよいよ開場。約700名収容の中劇場は、かなり埋まりました。また最近では珍しく、フラッシュを使わなければビデオやカメラ撮影はOKとの事でした。隊員の父兄や関係者への配慮からでしょうか。

 第1部

オープニングの北九州市歌に続き、第1部はヨーロッパのひびきと題して、「狩りの歌」、「森に響く歌声」、「おお牧場はみどり」、「流浪の民」の4曲。隊員は20名。やや寂しい人数ながら、しっかりとした歌声です。ただ、昨年同様、マイクが大きすぎて、肉声ではなく機械的に増幅された声に、最初は違和感を覚えましたが、すぐに慣れ、これはこれでもいいかな、と思います。

圧巻は最後の「流浪の民」。4名が前に出て独唱。特にソプラノを担当した小学6年生の隊員は素晴らしい声量で、まだ合唱の途中にもかかわらず、観客から拍手が出ました。

第24回北九州4今年のミュージカル「ながくつねこ」
 第2部

次は少年隊OBと共にと題して、「With you smile」、「この星に生まれて」、独唱が1つ、「Stand by me」の4曲。

既に第1部からOB隊員も参加しているのに改めてOB? どうやら第1部ではファルセット(裏声)を使っていた中高生の隊員、ここでは本来の男声パートで合唱です。

高校の音楽発表会でも活躍しているというOB隊員の独唱。さすがに素晴らしいのですが、やはりまだ高校生。声に貫禄がやや不足。でも将来有望な声楽家になりそうな予感。最後のスタンド・バイミー。難しい曲ですけど、みんな楽しんで歌っていて、良かったと思います。

ここでまた歌声喫茶の時間。会場の老若男女が舞台に上がり。その他の聴衆は全員起立して、みんなで「おもちゃのチャチャチャ」。最初は「勘弁してよ〜」の気分ですが、恥も外聞も捨てて歌うと、なぜかスーっとしてくるのも不思議。この歌の作詞はなんと、あの小説家・野坂昭如さんだったのですね。なんとミスマッチな・・

 第3部

次は、友情出演・小倉少年少女合唱団で、ミュージカル「天使にラブソングを」と「メリーポピンズ」からそれぞれ2曲、計4曲です。この合唱団と北九州少年合唱隊とは姉妹関係(姉弟関係か)に当り、少年達はここのお姉さん連中にシゴキ、いや指導を受けているそうです。

少女達の合唱は堂に入ったもので、振り付けも歌もパーフェクトです。男子団員も2名ほどみかけました。うち1名は、女の子も顔負けのノリというか、オーバーアクションで非常に目だっていました。(少年隊にスカウトすればよいのに・・なんて思いましたけど。)

第24回北九州6ハンス役のソプラノ少年
 第4部

いよいよ最後のお待ちかね。ミュージカル「ながぐつねこ」の開演です。これを見るために北九州へ来たと言っても過言はありません。楽しみにしていました。そして期待を裏切る事は決してありませんでした。

原作はヨーロッパの民話ですが、東映長編マンガ映画「長靴をはいた猫」の方が有名でしょう。主要な役は、物語のナレーション役の騎士、農家の3男ハンス、そしてネコの3人。物語はネコ、音楽はハンスが主役という感じです。ハンス役は第1部「流浪の民」でソプラノ独唱した隊員。(昨年は少女グレーテルを演じていた子だと思います。)

下手をすれば、学芸会もどきに終わってしまうところ、しっかりした練習、ダンス、歌によって、立派な舞台になっているのは、本当に素晴らしいことです。

ハンス役の少年。要所要所では素晴らしいソプラノを聞かせてくれましたが、さすがに疲れがあったのか、それとも恐ろしい変声期に入りかけなのか、やや声の出ない場面もありました。でもそれをカバーして余りある熱演でした。

余談ですが、昨年、妖艶な美女・眠りの精を演じた中学生隊員。今年もフランス人女性教師役で女装。今年はちょっときつかったかなあ。

楽しい時は、風のように過ぎ去り、もう閉演。帰りの新幹線が迫っています。余韻に浸る暇もなく、小走りで小倉駅へ駆けました。もっとゆっくりしたかった。来年は翌日休みをとれるようにしたいものです。皆さん、北九州へも是非お越し下さいね。

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3.第25回定期演奏会(11.10.23)

第25回北九州1定期演奏会の看板から


3年連続3回目の鑑賞。今年は例年より1ヶ月早く10月23日の開催でした。毎年この日は呉少年合唱団の定演とバッティングしていたのですが、今年はうまく分散し、山陽路の4少年合唱団を全て聞く事が可能になりました。(北九州、広島、呉、岡山)

日曜日の15:30開演。翌日は大阪で通常勤務なので終演後が慌しいのが難点。土曜開催なら一泊して、ゆっくり小倉の街を散策でもしたいところですが日帰り。今年は都合で小倉散策も出来ませんでした。

第25回北九州2

午後に小倉到着。九州うどんの店で軽く昼食を済ませた後、いつものむつごろう焼の店の前を通ると、今年もまた1コ買ってしまいました。血糖値が気になるのですが甘い誘惑には勝てません。

早々に会場である北九州芸術劇場へ。入口ホールで「ボーイソプラノの館」館長の吉岡様とお会いし、そのままお隣の席に座らせて戴きました。吉岡様は合唱隊の指導者の方から毎年招待券をいただいているとの事で、今年もその1枚をわけて戴きました。毎年、本当に有難うございます。

 オープニング

700名収容の中劇場がほぼ埋まったところで、いよいよ開演。例年通りオープニングは北九州市歌。やはりまだパワー全開にはなっていない感じです。

第25回北九州4今年の演目は「白雪姫と7人のこびとたち」
 第1部

続いて第1部はヨーロッパのひびきと題して「野ばら」と「流浪の旅」の2曲。セーラー服の少年隊はわずか13名。メンバー表をみると小5から中1が主体ですが後は幼い子だけ。このままなら、2年後くらいには厳しい事態になりそう

しかしそんな事おかまいなく、少ないメンバーですが元気一杯の歌声でした。全員ピンマイクか何かを付けているのだろうと思いますが、それでも構いません。

 第2部

次は、少年隊愛唱歌と題して、まず「With you smile」と「この星に生まれて」の2曲。これも定番の歌ですので安心して聞けました。ただソロの少年が変声期の真最中で高音が出ず、少しつまってしまったのがやや不安でした。今日、これから全部歌えるのだろうか。

続いてOBだけで「アメイジング・グレース」と「空も飛べるはず」の2曲。変声済みOBの中で1人だけまだソプラノを出せる中学生がおり、彼の声が非常にいいスパイスになっていて面白い合唱でした

ここで恒例の会場全員による歌の教室?タイムとなり、今年は「こぎつね」を全員で歌いました(歌わされました)。もう定例となっていますので、違和感なく、いい息抜きになりました。

 第3部

第3部は友情出演の小倉少年少女合唱団で、「見上げてごらん夜の星を」からディスニーの「メリーポピンズ」のナンバーなど5曲。少女達の華やかさと数の多さに圧倒されました。少年少女となっていいますが、男の子は1人だけ。

ただ人数の割には声量がありません。多分、少年隊のようにピンマイクを付けていないからだと思います。これは配慮なんでしょう。ゲストの少女合唱が声量で圧倒してしまったら、本来の少年隊の合唱が霞んでしまいますので、そうならないよう控えめに演出したのでしょうか。

<お詫び>
合唱隊員の方からメールを戴きました。第4部のミュージカルを除きピンマイクは装着していないとの事。申し訳ございませんでした。この人数であれだけのボリュウムが出せるとは。本当に素晴らしい。

第25回北九州3王子様と白雪姫
 第4部

そしていよいよお待ちかねのミュージカル。今年は「白雪姫と7人のこびとたち」です。宝塚歌劇とは逆に、毎年女の子役の少年に関心が集まるのですが、今年は華麗なお姫様というより、元気一杯のアルプスの少女ハイジのような感じ。でもそれはそれで可愛い。

ただ少年合唱の醍醐味であるボーイソプラノのソロパートが誰も皆、苦しい感じがしました。変声時期の子ばかりなんでしょう。うまく高音部をごまかしてはいましたが。

第25回北九州5

ナレーションと歌で、物語の進行を担当する騎士役の少年。昨年、一昨年は重要な役を見事なソプラノで演じていましたが、さすがに中学生になって高い声が出なくなったのでしょう。

少し寂しい気もしますが、それでも凛々しい声のナレーションは本当に素晴らしかったと思います。大拍手です。これからもOBとして続けて貰いたいもの。

 エンディング

最後は合唱隊の隊長先生のお話。もう80歳を越えるご高齢のようですが、少年隊員への暖かい言葉。言葉だけでなく心から愛情が溢れているのが会場にまで伝わってきます。そしてアンコール。さらには会場ロビーでの隊員達の見送り。サービス精神に満ちあふれたコンサートでした。

来年もまた小倉へ行こう。その次の年も。メンバーが増えてくれることを祈って止みません。

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4.第26回定期演奏会(12.10.28)

第26回北九州隊1 定期演奏会のチラシから


4回目の鑑賞。もう毎年の恒例行事です。今年は「ボーイソプラノの館」の吉岡様から招待券を戴いておりました(有難うございます)。九州新幹線の「みずほ」に初めて乗車。8両編成ですが、非常に快適。2時間程であっという間に小倉へ到着。まず商店街を歩き、目についた、うどん屋さんで昼食(ビール飲んでしまいました)

それでもまだ正午。街歩き開始。いつもの旦過市場。なぜか今日は寂れています。もしかしてここもシャッター商店街になってしまったのでしょうか。ちょっと心配だなあ。

第26回北九州隊2 北九州市立文学館

その後は北九州市立文学館。ここは地味ですが、いつもパワーを貰えます。今回の企画展は「北九州の職場雑誌展」。戦後間もない頃、製鉄所などで働く若者達の、苦しい生活の中からも希望や力がにじみ出る詩や文章。また力を貰いました。

更に足をのばして北九州市埋蔵文化財センター。無料ながらも立派な展示室があり見応え十分。最後は松本清張記念館。映画の特集でしたので興味深々。おっとそろそろ開場時間です。

(オープニング)

北九州芸術劇場の中劇場のロビーで吉岡様と合流し、いよいよオープニングです。最初は恒例の北九州市歌。人数は今年も厳しいようですが、そんなのお構いなし。素晴らしい声量でした。

(第1部 ヨーロッパのひびき)

ヨーロッパのひびきと題して、何とビバルディの「四季」に挑戦です。まず1番おなじみの「春」に始まって、「夏」、「秋」、「冬」まで4曲。この人数、低学年や幼児までいる中でこんな難しい曲、大丈夫なんだろうか。不安いっぱいでした。

心配は無用でした。しっかりと歌ってくれました。さすがに歌詞までは聞き取れませんが、よく練習されていることは判りました。途中のソロを歌ったのは中学3年生の隊員。これまで北九州少年合唱隊のソプラノを引っ張ってきた隊員だろうと思います。でも、もう年齢的にソプラノは辛かったかもしれません。しかし、彼に大きな拍手を贈りたいと思います。

(第2部 少年隊愛唱歌)

まず前半2曲は全員で、「With you smile」、「この星に生まれて」の2曲。どこの合唱団でも歌われる定番ソング。後半のミュージカルに向けて、力を残しておこうという訳でもありませんが、まずまず無難に歌ったという印象です。

後半はシニア隊員だけによる「君をのせて」、「宇宙戦艦ヤマト」の2曲です。テノールによる男声合唱の中で、一人だけ先ほどの中学3年生が高音を出しています。これがピタっと決まる部分は本当素晴らしかった。しかしながら、苦しく感じる部分もありました。彼も来年はテノールになっているんでしょうねえ。

(観客全員で歌声喫茶?タイム)

今年もこの時間です。指導者の先生がやってきて観客全員に合唱指導です。もう慣れました。今年の歌は「見上げてごらん夜の星を」。これは助かりました。震災の後、何度もカラオケで歌った曲です。(いつかのような「森のクマさん」はさすがに勘弁してほしい・・)

全員起立して斉唱。けっこう大きな声を出しましたので、すっかりストレス解消。いい気分で着席。例年は嫌な時間でしたが、今年は「なかなかやるじゃないの、先生!」とご機嫌です。

(第3部 友情出演 小倉少年少女合唱団)

ゲストの小倉少年少女合唱団。女の子が出てくるとさすがに舞台がパァーっと明るくなります。しかも人数もすごい数(普通の合唱団の数なんでしょうが、少年合唱隊の人数に比べると羨ましい限り)。ポピュラーソングの「ヘイホールクィーン」、「愛のシャリオ」、「I will follow him」の3曲。

とにかく華やかな合唱。人数の割に声量は控えめですが動きが女の子らしくて可愛い。しかし重大な事に気づきました。例年は2人くらい男子がいたのですが今年はゼロ。これはもう少年少女合唱団ではなく、完全に少女合唱団ですね。これも寂しいなあ。

第26回北九州隊3カーテンコール(ティンカーベル)
(第4部 合唱ミュージカル「ピーターパン」)

いよいよお待ちかねのミュージカル。しかもピーターパン。期待が盛上る中、幕が上りました。最初の曲は「右から2番目の星」。ディズニーアニメでもお馴染みの曲。ウェンディ役の少年のびっくりするような声の響きと声量に度肝を抜かれました。これだけ声量のある隊員が、前半どこにいたのでしょうか・・

前半の「四季」のソロもこの隊員が担当すればと思いましたが、前半で声が枯れてしまっては大変。ミュージカルに備えて温存したのかもしれません。

最初は違和感のあった女装も、最後は女性にしか見えなくなってくるのも大したもの。セリフも大変自然なので、将来は役者になっても成功するかもしれませんね。

第26回北九州隊4カーテンコール(後ろ向きですが、
ピーターパンとウェンディ)

ピーターパン役も熱演でした。アルトの声も良かったのですが、海賊フック船長とのアクションシーンが良かったですね。

全体的に非常に完成度の高い舞台でした。これは本当に何回も何回も練習やリハーサルを繰り返したに違いありません。パンフレットを見ると舞台指導の方々がたくさんおられます。これも北九州少年合唱隊の伝統ですね。

大熱演の末にフィナーレ。一旦幕が下りますが、すぐに上ってカーテンコール。このカーテンコールも本格的なのが素晴らしい。

(エンディング)
第26回北九州隊5本日のMVPはウェンディ

最後に隊長先生の挨拶。毎度の事ながら少年達への愛情溢れるおはなしです。来年の定期演奏会日程も決まったそうで、隊員不足で解散!なんて事に決してならないよう頑張って下さい。

そしてアンコール。大満足のうちに終了し、余韻を味わいたいのですが、明日は仕事もあり、小倉駅へ急ぎました。新幹線の中で今日のコンサートを思い出して、今ひと時だけは平和な気分に浸りました。


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5.第27回定期演奏会(13.10.27)

第27回北九州1定期演奏会の看板


振りかえれば、もう5年連続の5回目になります。北九州少年合唱隊の定期演奏会。何がこんなに惹きつけるのでしょうか。

この4日前に東京フレーベル少年合唱団の定期演奏会がありましたが、平日で行けません。その腹いせ?もあって、お隣の山口県の観光とセットで旅行を計画してやりました。

台風も去って絶好の観光日和。山口も小倉も存分に楽しみ、日頃のストレスを解消。そして極めつけが、北九州少年合唱隊のミュージカル。今までのストレスが、ぜ〜んぶ吹っ飛ぶような感動でした。

(オープニング)

これまた5年連続、北九州芸術劇場の中劇場のロビーで「ボーイソプラノの館」吉岡様と合流し、会場へ入り、前から3列目の好位置に着席。今年もオープニングは北九州市歌。

人数はやや増えたようですが、低学年の隊員と、中学生以上のシニア隊員が中心のため、並んだ隊員は「凹」の字の状態。(小学5、6年生がいない中抜き)。それでも歌のボリュウムは迫力満点でした。

(第1部 少年隊の愛唱歌)

少年隊の愛唱歌として、「北九州少年合唱隊の歌」、「天使の羽のマーチ」、「君をのせて(天空の空のラピュタより)」、「宇宙戦艦ヤマト」の4曲が演奏されました。

第27回北九州2凹の字状に並んだ隊員たち

少年合唱団には珍しく、4曲とも動きや振り付けの大きいダイナミックな演出でした。

見た目には楽しいのですが、低学年の隊員は動きに気を取られて、やや歌に集中できない感じもありましたが、これは仕方がありません。男の子ですもの〜。テレもありますし。

圧巻はソロを歌った上級生のボーイソプラノ。彼の実力は、後のミュージカルで思い知ることになります。

(第2部 少年隊OBと共に)

第2部は、高校生のOB隊員も参加して、まず、「空もとべるはず」と「With you smile」の2曲。純粋なボーイソプラノでは無くなりましたが、OBが入ることで、歌のメロディやリズムが大幅に安定しました。合唱としては、この2曲が、本日のベストでした。

特に「空もとべるはず」は、スピッツの歌で知っていましたが、合唱曲になっているのは新鮮でした。(今度、カラオケに行った時、久し振りにチャレンジしよう・・)

もう1曲、プログラムには載っていませんが、OB隊員だけでミュージカル「レ・ミゼラブル」の1曲が演奏されました。男声合唱ですが、やはり高校生なので、まだ大人の声になりきっていない部分もあります。それでも若くてフレッシュなアンサンブルは楽しめました。

(恒例の観客全員による歌声タイム)

もう慣れたもので、半分楽しみだったりします。今年は何を歌わされるのだろうとプログラムを見て、なんと昨年と同じ「見上げてごらん夜の星を」。

まあ好きな歌だからいいのですが、なぜ同じ歌と思っていると、指導の先生が「今年は北九州市制50周年で、この曲が出来たのも50年前なので、あえて選びました」と言われて、なんとなく納得。しっかり歌うことが出来ました。

(第3部 友情出演 北九州市小倉少年少女合唱団)

休憩をはさんでゲスト出演です。これも毎年同じ小倉少年少女合唱団。といっても、今年も女の子しかいない少女合唱団でした。

「プリーズ・ミスターポストマン」、「シング」、「ロックロールメドレー」の3曲ですが、人数が多い上に、やはり女の子、華やかさが違います。歌と踊りは女の子ですね。テレや恥ずかしさがないのが強み。

歌も上手で、今流行りのAKBではなく、昔のスクールメイツ(知らない?)のような清楚な印象で、オジサンには好感でした。これからも頑張って下さい。

第27回北九州3王子さま役の上級生
(驚異のボーイソプラノ)
(第4部 合唱ミュージカル「星の王子さま」)

さていよいよメインイベント。今年は「星の王子さま」で、北九州少年合唱隊としては初演とのこと。サンテグジュペリの「星の王子さま」は有名な小説ですが、決して子ども向けの話ではなく、哲学的で難解な話だと思います。

これをどんな風にミュージカルにするのか、一抹の不安がありました。有名な「象を丸飲みしたウワバミ(蛇)」のエピソードなど、プロジェクターで絵や文字をスクリーンに投影することで、判りやすく、うまく進めています。

サハラ砂漠に不時着した飛行士(作者サンテグジュペリの分身)のセリフとナレーションで話が進行します。

まず、この飛行士を演じたのが最上級生のシニア隊員。彼の安定したセリフと確かな演技力が、このミュージカル成功の要因であることは確かです。

そして飛行士の前に現れた少年が星の王子さま。映画では幼児に近い少年でしたが、今回演じたのは、かなり長身の中学生。しかしそのセリフを聞いたとたん、鳥肌が立つほどの衝撃。(ちょっと大げさ)

第27回北九州4昨年はウエンディ役

完璧な少年ボイスなんです。もうパーフェクトです。おまけにセリフも素晴らしい。このまま「劇団四季」の主役でも何でも出来そうです。そして歌。これも鳥肌ものでした。少年にしては身体も大きいので、声量も素晴らしい。

ミュージカルでは、アンコール含めて14曲が演奏されていますが、その7割は彼のソロ。喉は大丈夫だろうかと心配する程ですが、最後まで疲れも見せず歌いきりました。

逆にみれば、飛行士のテノール、王子さまのボーイソプラノ、この二人のソロが強烈すぎて、合唱という意味では、やや印象に残らなかったのは、次の課題かもしれません。

さて、この合唱隊のミュージカルでは必ず女装させられる子がいます。これがまた楽しみ?の一つだったのですが、今回の「星の王子さま」には女性キャラはいない・・

第27回北九州5赤い花の精(今年の女装犠牲?者)

と思っていたら、いやいや、いました。王子さまの住む星に生えてきた赤い花。ちょっと高慢でわがままな女性。でも王子さまを慕っている。そんな女性そのもの。

(いや、彼女か)も1曲ソロを歌いました。王子さまの声量に比べると、迫力は無いのですが、それがまた、王子さまに捨てられた女性の悲しみにマッチして、いい味でした。

気がつくと、プログラムに書いてあった終演予定時間(17:30)をとっくに過ぎています。皆さん大熱演で、アンコールまであって、素晴らしい演奏会もフィナーレ。

そのまま出演者の少年達はロビーでお見送りをしてくれましたが、大阪へ帰る時間が迫っています。後ろ髪を引かれながらも小倉駅へ。今年も大満足でした。

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6.第28回定期演奏会(14.11.02)

第28回北九州1 定期演奏会のチラシ


6年連続6回目の鑑賞です。今年は、定期演奏会の情報がホームページにも掲載されず、どうなるのかと心配していたところ、「ボーイソプラノの館」館長様から、3週間前になってメールで連絡を頂きました。

例年、翌日は仕事がある日曜日などの開催で、終演後に余韻に浸る間もなく、新幹線の時間を気にする事が多かったのですが、今回は翌日も祝日で休み。なので、小倉に泊まって、ゆっくりすることにしました。

天気が悪いとの予報でしたが、小倉に着くと青空も。まず昼食を取り、ちょっと繁華街を散策した後、北九州市立文学館へ。「詩人・宗左近展」なかなか見応えがありました。他に人がおらず、私の貸切状態。もったないことです。

(オープニング)

今年は松本清張記念館など、他の見学はせず、そのまま会場の北九州芸術劇場中ホールへ。「ボーイソプラノの館」館長様と待合せし、前から3列目の中央やや左寄りという、ベストポジションに座れました。今年はやや観客が少ないのが気になります。

OB隊員による挨拶の後、合唱隊員が登場し、恒例の北九州市歌。中高生を含めて15名と、これまでの中で最小人数と、やや危機的な状況です。ちょっと心配でした。(演奏会は、そんな不安を払拭してくれましたけれど)

第28回北九州2 ソロを唄った5年生。まさに救世主!
(第1部「少年の世界」前半)

第1部の前半は宗教曲として、「ピエ・イエス」、「バニス・アンジェリクス」、「アヴェ・マリア」の3曲。たった15人ですが、歌のパンチ力は十分。マイクもあるのですが、どこからこんな声量が出るのかと、人数なんか気にならなくなりました。

特筆すべきは、ピエ・イエスを独唱した5年生隊員。やや緊張気味で、最初は声の伸びが今一つでしたが、ボーイソプラノそのものの棲んだ声が魅力的。(後半のミュージカルでは緊張も取れて、素晴らしい演奏でした)

6年生もいない中で、ソロを唄える彼の存在は、この合唱隊の救世主かもしれません。(もう一人の5年生もミュージカルで大活躍)

(第1部「少年の世界」後半)

第1部後半はOBも加わって、「夢の世界を」、「With you smile」、「雨のち晴レルヤ」の3曲。最初の2曲は定番中の定番。よく歌い慣れているので、安心して聞けます。

ここでもう一つの驚き。昨年までエースだったソリストの中学2年生。もう声変わりして今年は無理だろうと思っていたのですが、まだまだ美声は健在だったこと。少しファルセットこそ入っていますが、声量は一人で5人分くらい、といっても大げさではありません。

さて雨のち晴レルヤは、「ゆず」が歌ったNHK朝ドラの主題歌で大ヒットナンバー。合唱曲として歌われることも増えてきたようです。今回は3部合唱で、なかなか良かったと思います。
(実は、私もカラオケで挑戦した事があるのですが、見事に撃沈。声が出ず、演奏中止ボタンを押しました。なさけない!)

3曲とも、個々の声はよく出ているのですが、ハーモニーという点では、少し練習不足だったかもしれません。でも、北九州の魅力は何と言っても後半のミュージカルですから、練習不足なのは仕方ありません。

(第2部 友情出演 北九州市小倉少年少女合唱団)

第2部は、これも毎年恒例の北九州市小倉少年少女合唱団の友情出演。「コンドルは飛んで行く」、「銀河鉄道999」、「私のシェリトリンド」、「風になりたい」の4曲。今年も男子はゼロでした。

女の子らしい華やかな舞台で、振り付けも合唱も素晴らしい。あと全員がにっこり笑顔なんです。ここが少年達との違い。みんな笑顔なので、すごく「やる気」を感じるのです。(もちろん、作り笑顔の子も多いのでしょうけれど)

これに対して少年達は、どこの合唱団でも、みなブスっとしているように見えるのです。「俺は本当は嫌なのに、こんな舞台に立っている・・」みたいなヤラセレ感が漂うのです。でも、でも、本当は違うんだと思うのですね。みんなやる気満々なんだと思います。(少年達がみんな、少女のように作り笑いを浮かべたら、それはそれで気色悪いかも・・)

(恒例の観客全員による歌声タイム)

今年は「もみじ」でした。「秋の夕日に照る山、もみじ・・」と全員で斉唱。それだけなく今年は2部合唱をしましょうとの事。でも低音部はメロディが違うので、かなり戸惑いましたが、そこはパワーで、なんとか歌い、今年も楽しく終了です。

(第3部 合唱ミュージカル「ノートルダムの鐘」)
第28回北九州3オープニングは何やら怪しげな集団

休憩10分の後、いよいよお待ちかねのミュージカル。今年は「ノートルダムの鐘」

いきなり不気味な僧侶たちの登場。合唱をリードするのは、昨年「星の王子様」を演じた中学2年生。先ほども述べたように、今年も圧倒的な声量で、素晴らしい歌を聴かせてくれました。

あの劇団四季でも上演されている難しいものを、少年達が、短い時間で見事に演じてくれました。本当に見事です。ノートルダム寺院に幽閉されている醜い男カジモド、ジプシー女のエスメラルダ、悪役判事のフロローなどが織りなす物語ですが、あらすじは省略します。

第28回北九州4

主役のカジモド。本当は「せむし男」なのですが、差別用語という事で、単なる醜い男と表現されています。

それを演じたのは、ピエ・イエスでソロを歌った小学5年生。困った事に、彼はイケメンなんですね。なのに「僕は醜い・・」なんて歌を唄うのは、ちょっと皮肉でした。

ミュージカルでも、最初は緊張していましたが、中盤から声が伸びるようになり、素晴らしい独唱に、観客席からも拍手が起ります。本当によく頑張りました。100点満点です。

恒例の女装は、エスメラルダを演じた小学5年生。二人しかいない小学5年生コンビが本当に大活躍です。今年で卒団する高校2年生のリーダーが演じた判事フロロー、狂言回し役の中学2年生。たった15人ですが、本当に全員が一生懸命に演じる姿に、最後のカーテンコールでは涙が出そうでした。(我慢しましたけれど)

(さいごに)

最後に恒例の合唱隊長の先生からご挨拶。そこで驚くような話を聞きました。今年の定期演奏会は休演も考えていたとの事。それは隊員があまりにも少なく、演奏会を開催できる状態ではないので、隊員数を増やす事に専念し、1年休演しようと・・

でも、保護者や後援者の働きかけもあり、少ない隊員が頑張って開催にこぎつけたとの事でした。
ああ、それで、定期演奏会の情報がホームページにも掲載されず、情報が無かったのかなあ。来年は、そんな悲しい事を考えることなく、堂々と定期演奏会を開催して欲しいものです。隊員も倍増くらい・・・
そんな思いをこめて、アンコールは「あかとんぼ」でした。

第28回北九州5 終演後ロビーにて


演奏会はこれで終了。席を立って通路を歩いていると、後ろから「本日は有り難うございました!」という声が聞こえ、あの中学2年生隊員が駆けていきます。思わず「素晴らしい声で感動したよ」と声をかけました。ちょっと振り向いて一礼してくれました。(それだけで何か幸せな気分)

狭いロビーはごった返していましたが、隊員たちがお見送りをしてくれます。ちょっとピンボケですが、1枚だけ写真を撮らせて頂きました。

感動を受けるのは、決して合唱のレベルとか、上手さとか、と関係ありません。人数が少なくても、一見ブスっとしていても、何か伝わってくるものがあります。もちろん、受け手(私のこと)の感じ方にもよりますけれど。

そういう意味で、北九州少年合唱隊は本当に魅力的です。来年も頑張れ。

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7.第29回定期演奏会(15.10.25)

第28回北九州1 定期演奏会のチラシ


とうとう7年連続での鑑賞です。今年は10月の開催で、秋の少年合唱団定期演奏会シリーズのトップバッターになりました。合唱団のホームページには何も情報が無いのですが、例年通り「ボーイソプラノの館」館長様から、お誘いをいただきました。

新幹線で小倉に11:00前に到着。商店街を散歩しながらラーメン店「娘々」(にゃんにゃん。凄い名前ですね)で昼食。一緒に食べた肉炒飯のボリュウムに驚きました。北九州市立文学館、北九州市立埋蔵文化財センターを見学した後に、会場である北九州芸術劇場中劇場へ。

例年ですと、開場30分前の中ホールのロビーは閑散として数名くらいがおられるだけですが、今年は鈴なりの人々でベンチに座ることもできません。人気が出てきたのは嬉しいこと、と喜んでおりましたら、その方々は隣の大ホールのお客様で、そちらの開場と同時に、あっという間に消滅。残った人数は例年通り。それでも胸ときめかせながらの入場です。

(オープニング)

開演と共にステージに登場した隊員はわずか14名。年々寂しくなります。そして1曲目は恒例の北九州市歌。たった14名とは思えないほどのパワーにまたも驚きます。特に地味な市歌なんか、あまり力が入らないはずですが、一人一人が強く声を出す姿勢には頭が下がります。(北九州市長様が、かぶりつきの席で見ておられたからかも)

第28回北九州2
(第1部 少年の世界)

続いて第1部の前半は愛唱歌として「おおスザンナ〜草競馬」「カントリーロード」の2曲。アメリカの歌ですね。やはり力強い歌声はそのままです。もちろん各人が声量を重視している分、ハーモニーなどは望めませんが、元気を貰える合唱です。

第1部後半はOBと一緒に「夢の世界を」「With you smile」の2曲。2曲とも合唱の定番曲なので安心して聴けます。例年ですと1曲は、ゆず、スピッツなどの曲があるのですが、今年はありません。隊員のモチベーションの意味でも、これら一般受けする曲があってもいいのではとも思います。

(第2部 友情出演 北九州市小倉少年少女合唱団)

もう少し聴きたかったのですが、市歌を含めて5曲だけで少年隊員は退場。2部はゲストの北九州市小倉少年少女合唱団による「カラー・オブ・ザ・ウインド」「糸」「ゴー・ザ・ディスタンス」の3曲。例年通り、本当に華やかです。衣装の色どりも、声もふんわりと柔らかくて、目にも楽しい舞台でした。

選曲も、全国のカラオケで必ずベスト10入る中島みゆきさん(少しオバ様ですけれど・・失礼)の「糸」があったりとサービスも考慮されています。惜しいのは少年団員が殆どいないこと。これは仕方ありませんけれど。

(観客全員による歌声タイム)

今年は「みかんの花咲く丘」。戦後すぐくらいの歌で、私の母親が幼い頃に口ずさんでいたそうです。母は「優しい母さん思い出す」と歌っておりましたが、正しい歌詞は「優しい母さん思われる」。日本語の機微は判りませんが、「思い出す」の方がストレートでいい気がするのですが。

以前にも書きましたが、この時代の歌は「赤胴鈴之助」や「鐘の鳴る丘」など、戦争で父や母を亡くした子どもの健気さがテーマだったようです。寂しくなった時に、ふと思い出す優しい母さん。切ないですねえ。
(戦後70年、平和の時代のはずなのに、今また父か母のいない子どもが増えていると聞きます、離婚などで。複雑ですねえ)

例年は先生1人が舞台に立ち、観衆を指導されますが、今年はゲストの小倉少年少女合唱団も残って模範合唱。やっぱり「みかんの花咲く丘」は少女の声が似合います。

(第3部 合唱ミュージカル)

いよいよお待ちかねのメインイベント、今年は「ピーターパン」。3年前の第26回定期演奏会に続いて2回目の鑑賞です。プログラムを見ると3,4年に1回の間隔で演じられていますので、定番テーマなのだろうと思います。

第28回北九州3

少ない人数の中で、どの団員も皆頑張っていました。例年は、素晴らしい声量のボーイソプラノを持つ団員が1人はいたのですが、今年はそういう意味ではエース不在でした。その分、全員で盛り上げているので、感動は例年と同じです!

この定期演奏会の後、ピーターパンの誕生を描いた映画「PAN ネバーランド 夢のはじまり」が公開されましたが、その時にも本ミュージカルを思い出しました。映画とはルックスは全く違うのですが、タイガー・リリーを演じた団員が少し印象に残っています。

(さいごに)
第28回北九州4終演後ロビーにて

毎年同じことを書いていますが、少人数になっても(少人数だからこそ)元気を出して強い歌声を出す、本当にお手本のような少年合唱団です。

少数精鋭という言葉がありますが、少数の精鋭を集めたのではありません。目的意識を持てば、少数ならば凡人でも精鋭にならざるを得ないのです。(どこかのお偉いさんの受け売りですけれど)

それはともかく、本年の定期演奏会も大満足でした。ご一緒したボーソプラノの館の館長様と小倉駅でお別れし、ホテルへチェックイン。小倉の夜の街へ。





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